リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

アイドル活動中、過半数が「精神疾患を患った」 裸で体形確認、生理止まる…100人調査で見えたステージ裏の闇

東京新聞 2024年5月6日 06時00分

 
まさにSRHRの侵害であり、人権無視、子ども虐待にもあたるかもしれません。


そもそも「アイドル」という「くくり」は海外にはあまり見られない日本独自の表現である。「マイケル・ジャクソンはアイドルだったのか?」という日本語の記事はありますが、英語でidolを検索しても「マイケル・ジャクソンのアイドル(可愛がっていた子あるいは敬愛していた人)は誰か?」という問いかけしか出てこず、マイケル自身が(大衆の)アイドルだったという認識は見られません。ジャスティン・ビーバーについては、かつては"teen idol"だったが世界的パフォーマーに……といった記述が見られましたが、これは彼が元々Youtuberとして少数の激烈なファンを魅了していた事実に即しているのでしょう。それでもきちんと歌手、

 女性アイドルの労働環境について、引退したアイドルの就職を支援する企業「ツギステ」(東京都渋谷区)が、当事者にオンラインで聞いた100人調査の結果を発表した。ファンの視線にさらされる厳しい競争で心の不調を抱えがちなことや、ハラスメントを受けても相談しにくい実態が浮かんだ。専門家は、旧ジャニーズ事務所問題と重なる面もあるとして、安心して活動できる環境が必要と指摘する。(森田真奈子)


◆ジャニーズと同じ「芸能界ならよくある」で済まさないで
 調査は1~2月に実施し、現役44人、経験者58人の計102人が回答した。多くはメディア出演よりライブ活動が中心の「地下アイドル」で、有名グループでの活動経験者もいた。
 アイドルとして活動中に「精神疾患を患った」のは52%。厚生労働省の調査(2020年)では全人口に占める精神疾患の患者割合の推計が4.9%で、圧倒的に割合が高い。48%がパワハラ、12%がセクハラを受けたと答えた。

 インターネット上の書き込みなどを含め、外見を評価される機会が多く、78.4%がダイエットを経験。悩みとして「他人と比べて落ち込む」「生理不順・無月経」などを挙げた。
 このほか、引退後の展望や金銭面、休みが取れないなど、多様な不安を感じていたのに「誰にも相談できなかった」という回答が目立った。8割以上が男性スタッフの多い環境で活動し、ツギステは、生理などの悩みを相談しにくくなる一因で「問題を抱え込む」と推察。「華やかなステージとは裏腹に、ストレスを感じやすい。深刻で特殊な状況にある」と分析した。
 アイドル文化に詳しい慶応大非常勤講師の上岡磨奈さん(社会学)は、創業者の性加害が明らかになった旧ジャニーズ事務所問題を例に「芸能界だから別、よくあることとして放置されてきた」と指摘。「人間として尊重された上で、良いパフォーマンスができる環境が重要。アイドルも同じ人間で、ハラスメントはいけないという意識を広めることが大切」と強調した。
 今回の調査結果に関しては、サンプル数の少なさに留意する必要があるとしつつ「目を向けられにくい業界の現状を発信する上で意味がある」と評価した。
   ◇

◆声を上げると「ワガママ」「干される」…体質改善を
 ツギステは3月の国際女性デーに合わせて、女性アイドルの健康を考えるイベントを東京都内で開いた。代表の橋本ゆきさん(31)は10〜20代に、アイドルとして活動。現役時代は生理が2年間止まったり、服を脱いでダイエットの状況を確認されたりした。精神的に病む人が多く、アイドル業界のあり方に疑問を感じたという。
「アイドルが健全に活動できる環境をつくりたい」と話す橋本ゆきさん

 悩みがあっても「相談したら干される」などと恐れる現状を変えるため「事務所側が相談機関を設けるなど、対策を取るべきだ」と提案。「健全に活動できる環境をつくることで、アイドルを安心して楽しめる文化にしたい」と語った。
 振付師として約15年間、アイドルと関わってきた竹中夏海さんは、回答で明らかになった被害について「氷山の一角。ハラスメントに遭い、後遺症に悩む人も多く見てきた」と話した。アイドルが意見を言うと「わがままと思われやすい」現状を紹介し、ファンの側も問題を知り「声を上げる人に耳を傾ける社会にしなければ」と呼びかけた。

「愛しているからするんだよ」次第に“洗脳”されていき…10年続いた塾講師からの性被害

TBS NEWS DIG 中国放送 2023年12月10日(日) 16:00

 児童にわいせつな行為をしたとして教員が逮捕されるなど、教育現場で子どもへの性犯罪が相次いでいます。塾講師からおよそ10年間にわたり性被害を受けたという女性がRCCの取材に応じました。


 「脱がされそうになって渋っていると、『いいから早くしろよ』って言われ、性的なことされてたり、怒鳴られたり、いつも嫌だなと思っていた」

 広島県内に住む20代のさやかさん(仮名・20代)です。性被害が始まったのは小学校の高学年のときでした。通っていた塾の男性講師から「うちに来て勉強しよう」と声をかけられたといいます。両親に相談したところ、塾の講師なら信頼できると送り出され、当時は、特に怪しいと感じることもありませんでした。


 「勉強すると言ってるし親にはいい顔していて。『今日はこんなことができた、できなかった』など、まめに報告して親の信頼を勝ち取っているような感じでした」

以上、https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/877532?display=1

性暴力は次第にエスカレートしていき…
 講師の家で勉強をしていたある日のこと…。2人きりでテレビに向かって座っていたときでした。


さやかさん
「後ろからズボンに手を入れられて、でも私はその時は意味が分からなかったので、なんでそんなことするんだろうと」
 講師の行動に違和感は感じたものの、すぐに抵抗することはありませんでした。



 すると次第に性暴力はエスカレート…。服を脱がされ、裸の写真を撮られることもありました。


さやかさん
「私がちょっと嫌がると『早くしろよ』と怒鳴ったり、逆に『これは愛してるからするんだよ』みたいな感じで説得されたり、しつこく迫られて根負けしたり」


 「嫌だ…」「もうやめたい…」。そう感じる一方で、講師からの「自分以上に愛してくれる人はいない」という言葉に、本当にそうなのかもと洗脳され支配されていったといいます。


さやかさん(仮名・20代)
「『逆らえない人』みたいな感じで、逃げようとも思ったことがあんまりないです」



 両親に打ち明けたら悲しませてしまうかもしれない─。誰にも相談する勇気が出ないまま、性被害はおよそ10年間続き、大学生になっていました。


さやかさん(仮名・20代)
「大事になればなるほど、もう全然言えなくなって。だから最初のところで止められたら1番よかった」


 性暴力から解放されても、涙をこぼしながら数日間、布団から出られないこともありました。それから数年後。さやかさんの思いを変える出来事がありました。



 「テレビとやネットニュースで、フラワーデモや裁判しましたとかニュースを見て『自分だけじゃないんだ』と思って勇気をもらった」

 自分が立ち上がることで、今被害を受けている人を救えるかもしれないー。そんな思いで、初めて相談窓口に被害を告白しました。ことし、講師への損害賠償を求める裁判を起こし、和解が成立しました。

 さやかさんの弁護士は、こうした教育現場での性被害は少なくないと話します。


西環江弁護士
「学校の先生やスポーツクラブなど、権限を持ってる人が言うことを聞かせやすい、支配関係も作りやすい構造が潜在的にあると思います」

国連ビジネスと人権作業部会・出生率など

思春期男子が学ぶべき「射精道」とは

性知識イミダス:オトナも知ろう! 2021/01/12

今井伸(泌尿器科医、聖隷浜松病院リプロダクションセンター長)


これって、男性自身とパートナーのSRHRのためにも重要な話ではないだろうか?
性知識イミダス:オトナも知ろう! 思春期男子が学ぶべき「射精道」とは | 連載コラム | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス


射精責任にも通じる心得かもしれません。

日本女性の自己肯定感は低い?

年代で変わっていくようです……

Vogueによると、日本の20代女性の自己肯定感は、男性に比しても、他の国の女性と比べても、非常に低いのだそうです。
国際女性デーに考えたい!日本の女性の自己肯定感の低さ、どうすればいい!?(前編)【ヴォーグなお悩み外来】 | Vogue Japan


一方、東洋経済の記事によると、日本は既婚者の方が未婚者と比べて幸福感が高く、未婚男性の幸福度が、未婚女性と比較して群を抜いて低い(不幸度が高い)のだと言います……。
なぜか自己肯定感が低い日本の未婚男性の実像 「男らしさ規範」の意識の強さの差が関係? | ソロモンの時代―結婚しない人々の実像― | 東洋経済オンライン


日本女性は自己肯定感が低いので、選挙に立候補するなり手がいないなどともよく言われますが、実際、政治家、特に閣僚の女性比率は惨憺たるものです。
UN WomenのWomen in Politicsの地図でも、日本ほど低率の国は欧米にはほとんど見当たりません。
Women in Politics 2023


一方、東洋経済の記事によると、日本は既婚者の方が未婚者と比べて幸福感が高く、未婚男性の幸福度が、未婚女性と比較して群を抜いて低い(不幸度が高い)のだと言います……。
なぜか自己肯定感が低い日本の未婚男性の実像 「男らしさ規範」の意識の強さの差が関係? | ソロモンの時代―結婚しない人々の実像― | 東洋経済オンライン

G7について世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数の変動を確認する

Gender Gap Indexの値(指数)の遷移に注目すべし

World Economic Forumは、2006年にグローバル・ジェンダー・ギャップ・インデックスを初めて発表し、以来、ほぼ毎年のようにデータを公開してきた。


そこで2006年、2024年、そしてちょうど中間の年にあたる2015年の数値も抜き出して、G7の国々を比較してみた。2006年の段階ではイタリアとフランスは日本と非常に似たところにいたが、イタリアは若干改善、フランスは大幅に改善されている。

G7各国について

2006年 2015年 2024年の順に順位と指数、変動値(2024年の指数マイナス2006年の指数)
(国家の並びは2006年の順位による)
独   5位 .752 ⇒ 11位 .779 ⇒ 7位 .810 +.058
英国  9位 .737 ⇒ 18位 .758  ⇒ 9位 .789 +052
カナダ 14位 .717 ⇒ 30位 .740 ⇒ 61位 .723 +006
米国 23位 .704 ⇒ 28位 .740 ⇒ 43位 .747 +003
仏   70位 .652 ⇒ 15位 .761 ⇒ 22位 .781 +129
伊 77位 .646 ⇒ 41位 .726 ⇒ 87位 .703 +057
日本 79位 .645 ⇒ 101位 .670 ⇒ 118位 .663 +018

2006年にデータが得られた国の数は115ヵ国、2015年145ヵ国、2024年146ヵ国だった。


もともとジェンダー・ギャップ(性別による格差)の少なかったアメリカやカナダは、過去20年弱、高止まりしている印象がある。一方、フランスは不名誉な立場から抜け出そうと大奮闘して大幅に改善、イタリアは改善させようと頑張ってはいるが道半ば(保守政権になるたびにバックラッシュがあった?)、日本は何もしていないのと、この間ずっと、ジェンダー平等自民党政権であったために、指標となる数値にほとんど変動がなく、世界の他の国々が頑張っているなか、日本の順位はずるずる下がっていることが分かる。

どうすれば中絶を解放できるか?

New internationalist, THE WORLD UNSPUN, 2024.6.17

How do we free abortion? | New Internationalist

contributor, Bethany Rielly(ベサニー・リエリー)
仮訳します。

 ベサニー・リエリーは、中絶を人々の手に取り戻し、それを維持するために、フェミニスト運動がどのように組織化されているかを学ぶ。

 バルセロナのラバル地区の奥まった狭い通りに、ファサードに目立たない楕円形の穴が開いた建物がある。木製のドアの上には、かすかに『Casa d'Infants Orfes(孤児院)』と書かれている。中世から19世紀まで、女性たちは生まれたばかりの赤ん坊をこの木製のハッチに入れ、回転させることで、匿名で安全に孤児院に送り届けることができた。この小さな窓は、隠し子を持つという社会的汚名と極度の貧困のために、多くの女性が真夜中に子供を捨てざるを得なかった時代を象徴している。今日アメリカでは、保守派が現代に匹敵する「ベビーボックス」を推進している。

 警察署や消防署に設置されている引き出し式の断熱材でできたこの箱は、絶望的な女性が訴追を恐れずに匿名で赤ん坊を手放すことを可能にする。最も極端な育児放棄のケースを防ぐために1990年代に導入されたこの「安全な避難所」法を、宗教右派は現在、中絶の代替案として拡大しようとしている。

 連邦最高裁が1973年のロー対ウェイド判決を破棄して中絶の憲法上の権利を取り除いてから2年の間に、41の州で厳しい制限が制定された。そのうち14州では中絶が全面的に禁止されている。

 この不穏な軌跡は、世界的な清算を呼び起こしている。中絶が何十年も合法であった国でさえ、中絶がいかに普遍的にアクセスしやすく、安全で、スティグマから自由であるか明らかにするために、世界的な中絶の権利の状況を調査することが求められている。例えば、医師が配偶者の同意の証明を求める日本や、2人の医師の許可が必要なイギリスである。世界保健機関(WHO)が「簡単で一般的な医療処置」と定義する中絶が、なぜこれほど多くのお役所仕事に包まれているのだろうか?

中絶のアクセスを阻んでいるものは何か?
続きは今度訳します。

2006年から2024年までのジェンダーギャップ指数の推移

Gender Gap Index2024

今年も世界経済フォーラム(WEF)のジェンダー・ギャップ指数(SDGs)が発表されて、順位の変動が話題になっているが、対象国がまちまちなので、順位自体にはあまり意味はない。
重要なのは、日本のインデックスの推移。2006年以来低水準のままで、上がる気配すら見えないことだ。
さっぱり改善されていかない日本は、開発途上国にぐんぐん抜かれるようになり、今や最下位グループの中で小幅に浮き沈みしているだけ。
【ジェンダーギャップ指数】日本、2024年は世界118位で低迷続く 政治・経済に課題

SDGs ACTION!のサイトより