リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです


Abortion and Woman's Choice: The State, Sexuality & Reproductive Freedom

by Rosalind Pollack Petcheskyからの一節。

長期的には,個人のプライバシーを求める市民的自由の闘争では,女性のリプロダクティヴ・フリーダムを勝ち取れない。p.xxiv

リベラル派のプライバシーという言葉の中に欠けているのは,ほとんどのヨーロッパの社会主義民主主義ではおなじみの社会的権利という概念である。すなわち,社会は中絶か出産かという選択を困難にしている条件を改善する責務を負っているという考えであり,またこの権利の保有者は孤立した個人ではなく,特定のニーズを抱えた社会的なグループの一員だということである。p.xxv

1990年版への前書きより。「身体的統合性」または「身体に関する自己決定」と,妊娠によって最も影響を受けるという社会的事実をもってリプロダクティヴ・フリーダムを主張していた1984年版とは多少トーンが変わってきていることに注意。