リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

BioEDGEのWeekly Newsletter, No. 206(2006/6/6)で知った話。

スコットランドに5つある不妊治療クリニックの1つが,精子ドナー不足のために閉鎖した。英国の最近の法律で,不妊治療で生まれた人の「生物学的な父親」を知る権利が認められたとたん,精子提供がぴたっと止まった。(London Times, June 4 )

結局,「無責任でいられる限りは協力する」ということなのか……と思っていたら,こんなのが目に留まった。

ヴァチカンが「伝統的家族が危機にさらされている」として,人工授精,同性同士の結婚,養子縁組,中絶の権利を批判する新文書を発行した。("Vatican: Traditional family at risk," Newsday, June 7) 


この文書の出所は,Pontifical Council for the Familyが開いたFifth World Meeting of the Families (Valencia, 1-9 July 2006)らしい。

ヴァチカン市国の国民には女性も子どももいない。「家族」のいない国なのに,「世界の家族」について自分たちだけで決めて,あとは命ずるだけだなんて……?

ところで,ルイジアナでも中絶禁止法が通りそうだとか。いずれ最高裁で争われることになるだろうけど,しばらく騒がしくなるかも。