リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

WHO事務総長(当時)のDr. Gro Harlem Brundtlandによる7th Conference of European Health Ministersの基調演説「健康,尊厳および人権」(Oslo, Norway, 12 June 2003)より

……我々は,ヘルスケアへのアクセスに関心があるばかりではなく,サービスを必要とする時に人々がどのように取り扱われるかということにも関心がある。

我々はヘルス・システムの対応に注目している――それ自体,適切で正当な目的として,秘密を守り,待ち時間を減らし,意思決定に関わることもそこには含まれる。

ここには,人権との直接的なつながりがある。人権思想とその実現において,平等と差別からの解放に配慮する根幹には,人間の尊厳という観念が横たわっている。すなわち,一人一人の人間が平等と固有の価値を有するという観念である。

ここ数年,我々は健康権が現実的に何を意味するかについて明確化してきた。何より第一に,それは包括的な権利である。つまり,健康権は単にヘルスケア・サービスに関わるものではなく,不健康の根元的決定要因にも関わるものである。

健康権は非常に幅広いものであり,安全な飲料水や充分な衛生措置,安全で栄養のある食物の供給,健康的な職場ならびに環境の諸状況,ならびに性的および生殖的健康に関する情報を含む情報へのアクセスも含まれる。
http://www.who.int/dg/brundtland/speeches/2003/conference_european_healthministers/en/index.html