プロライフの反対があまりに強く,認可問題で前局長が辞任する騒ぎも起きていたアメリカのFDAが,ついに緊急避妊薬Plan-Bの店頭販売を許可しました。
Plan-Bは,モーニング・アフター・ピルとしても知られる緊急避妊専門薬で,「もしや危ない?」と思ったセックスの後に呑むことで妊娠を防止する効果があります。
Plan-Bによる緊急避妊(事後避妊とも呼ばれる)は,黄体ホルモン(プロゲスチン)を適量投与するというもので,国内で認可されている避妊ピルを用いても同様の効果を得られます。前にご紹介したと思う,日本では未認可のRU-486という中絶薬(妊娠9週まで使用可)も緊急避妊に使えます。ただ,性交後時間が経っては効果がないので,必要なときにすぐ手に入るように店頭販売されることが重要なポイントで,各国の女性たちは店頭販売の認可を求めて運動をしてきました。
アメリカのNARAL(全米中絶権行動連盟)は,今回の「勝利」を宣言してますね。
→http://prochoiceaction.org/campaign/womenarewaiting_web
すでにカナダでは,Plan-Bの店頭販売が許可されています。同じ薬がイギリスではLevonelle, フランスではNorLevoの名で販売されています。
それにしても,日本の女性たちはあいかわらず黙ってますね……やっぱりピル・アレルギーなのかなぁ? でも,自分の経験からしても,「もしや?」と思ったときにこの薬があったら,わたしは副作用の恐れがあろうと何だろうと,絶対に呑んでいたと思う。副作用より,望まない妊娠のほうがずっと怖い……というのが,多くの女性の実感では? そろそろ自分の妊娠の心配はいらなくなりつつあるわたしだけど,次の世代の女性たちのために,この薬は日本でもぜひ店頭販売を認可してほしい!
日経新聞のサイトでは日本語で関連記事を読めます。
→http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060825AT2M2500N25082006.html
(以下,日経新聞のサイトより抜粋)
米食品医薬品局(FDA)は24日、米製薬のバー・ファーマシューティカルズの緊急避妊薬「プランB」を18歳以上に限り一般医薬品として販売することを認めた。性交後72時間以内に服用すれば、妊娠確率を大きく下げることができる。店頭で写真付きの身分証明書を提示すれば買える。……
(ワシントン=藤井一明) (10:19)
上記の「18歳以上に限り」は間違いで,正しくは「16歳以上に限り」です。追記を参照。
washingtonpost.comでは,もっと詳しく報じています。
→http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/08/24/AR2006082400559.html
とりあえず。