リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

自尊心 self-esteem

 ポジティブな自尊の感覚が一般的な健康の基礎であること,特に精神的,感情的,社会的な健康の基礎であることは,人間の発達を研究してきた人々のあいだでは,ほぼ普遍的に認められてきた。自尊心の欠如は,優柔不断,自己批判,無力感などの個人的な力量や能力にまつわる問題につながり,結果的にストレスなどの心理学的な諸問題を導くと見られてきた(Macdonald 1994)。多くの人にとって,自尊心は精神的に健康であることの定義の重要な一部を成している。たとえばJenkinsとMcCulloch,Parkerたちは,メンタルヘルスを「自分自身の価値と他者の尊厳と価値に関するある種の信念」として定義しており(1988:5),MacdonaldとO'Haraはそれを「自分が権利を有するという感覚,価値があるという感覚,パワーをもち,世界の中における自分自身の経験をコントロールし,影響を与えられるという感覚」として定義している(1998:9)。

以上,Katherine Weare, Promoting Mental, Emotional and Social Health, Rutledge, 2000:24.(trans. by Kumi Tsukahara 2006)