リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

中国で唯一の英文全国紙China Dailyによれば,1970年代からひとりっこ政策(one-child policy)を実施してきた中国の主な推進策は,2人以上産んだカップルへの「罰金」だった。だが今度は,ひとりっこもしくは女の子2人だけのカップルに対して,年間78ドルの「報償金」の給付を開始したという。

詳しくは→ http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2006-10/16/content_708700.htm

「女の子2人」に対しても給付が行なわれるのは,保険未加入者が8割近くもいる地方の貧しい農民たちは,老後を保障してくれる跡継ぎの男の子を是が非でも産もうとするためらしい。

カネがすべてを決めるわけじゃないだろうけど,経済問題が「産む・産まない」を大きく左右していることは否定できない事実。しかし,記事のなかにもあるように,年老いた両親2人を子どもひとりで支えていくこと自体,非常に苦しいことは間違いない。同じ新聞の別の日の記事に,都会化が進んだ上海でも,未だに「親孝行」の美風が健在だという報道も見られたが,「愛」の名の下に国民の「犠牲」や「献身」を美化することで国の無策を補おうとするのは,どこかの国にも見られる現象のように思われる。