リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ルーマニア映画「4ヵ月,3週と2日」続報

映画評論家一宮千桃のエンターテインメントフラッシュというサイトに3月7日付けで《ものすごい緊迫観で見せる「女」の哀しさ》という映画評が掲載されています。以下に評者の感想部分を一部紹介。

この映画のすごいところは、独裁政権下に妊娠した友達のために奮闘する娘の一日を描いているのだが、術後も彼女にはやることがたくさんあって、最初の緊張感がちっとも切れることなく映画が展開することである。観終わって、はっきり言ってテンションは下がるのだが、「打ちのめされる」衝撃が長く残る作品だ。特に女性は。私が思ったのは、結局、すべての処理をさせられるのは女なんだなぁー、ということ。そして、そういう困難で哀しいことを生きるためになんとか、やってしまえる鈍さと、役割を持たされた女という性を自分も持つ身として「ため息」だった。

この話は独裁政権下の話だけど、現代も女性は本質的なところで変わってないように思う。怖い映画である。

「本質的なところで変わってない」ところはあるかもしれないが,それだけ言って終わらしていては「本質的に何も変えられない」だろう。「哀しさ」を乗り越えるために立ち上がった女性たちも大勢いることも言い添えておきたい。