リプロな日記

日本のアボーション(中絶と流産)にまつわる諸問題を研究しています

Kathryn Kolbertのリプロ・ライツ

Kathryn Kolbertが、今年の2月、アメリカの革新派グループPeople for the American Wayの代表に着任したことを知った。

Kolbertは女性のリプロダクティヴ・ヘルスに関してアメリカ全国の法、行政、政策を率いるリーダーの一人であり、1992年のPlanned Parenthood of Southeastern Pennsylvania vs. Casey判決の際に、Roe判決を擁護した弁論で知られる。

Kolbertは1994年の"A Reproductive Rights Agenda for the 1990s"という文章のなかで、女性が自らの生殖をコントロールする力は、女性が全面的かつ平等に社会に参加していくために必要不可欠だとの信念に基づき、以下の9つのアジェンダを掲げた。(以下に抜粋訳を示します。なお、――で引用したのは、その項目の内容から適当に抜粋したもので全体の要約ではありません。)

1.自由意思に基づく決定を行う自由と法的権利
――すべてのひとは自由意思と情報供給に基づいて決断を下す法的権利を有する。

2.総合的で質が高く安価な医療と人的サービス

 A.全面的な生殖にまつわる選択肢の提供
――現存するあらゆる避妊手段の他、産まない決断/産む決断を支え実現するサービスや手段、貧困や暴力から脱するための支援、性感染症に関する情報や医療の提供など。

 B.包括的医療
――すべての家族(障害者、地方在住者、夜間労働者も含む)に対して、各種サービスが物理的にアクセス可能であるようにすること

 C.安全で質の高い医療
――リプロダクティヴ・ヘルス・サービスを含む健康サービスおよび人的サービスは、健康とウェルネス、問題の防止を重視して、文化的に受け入れやすい形で提供されること。

 D.情報を受けた上での同意および情報を受けた上での拒否


3.セクシュアリティと生殖と生活技能に関する教育
――あらゆる年齢のひとに対して、自らのセクシュアリティや生殖の健康について充分な情報を与えること。


4.自らのセクシュアリティを表現し、多様な家族形態やライフスタイルを採用する自由
――ヘテロセクシュアリティ強制は、自由な決定を妨げる。


5.経済的平等(イクィティ)とリプロダクション
――真に子どもをもつことが一つの選択肢になる社会にしたければ、女性たちに子どもを育てる経済的手段を与えるべきである。


6.暴力からの自由
――配偶者やパートナーの暴力に対する恐怖や性暴力への恐怖は自由な意思決定を妨げる。


7.生殖機能に対する危害を受けない自由
――すべてのひとは、環境や家庭、職場において、生殖機能に危害を与えられない自由を有する。


8.家族法とサービス
――公正で平等な離婚や子どもの養育、子どもの親権に関する法的措置は、結婚その他の形態の関係が破綻したあるいは問題があると証明された女性に対して利用可能かつ有効なものでなければならない。


9.政治参加
――すべてのひとは、リプロダクティヴ・チョイスを保障するような前向きで組織的な変化を求めるために、自らの見解を表明したり、組織化され、集団的で非暴力的な活動に参加する全面的な権利を有するべきである。

抜粋訳:from Jaggar, Living with Contradictions,1994:293-297.