リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

リプロに関するフェミニスト倫理の4つの視点

Sonia CorreaとRosalind Pollack Petcheskyによるリプロダクティヴ&セクシュアル・ライツに関するフェミニスト倫理の4つの視点(1994)

  1. 身体的統合性:個人の肉体(physical body)が尊厳と敬意をもって取り扱われると同時に、望まぬ妊娠や望まぬ性行為を含む虐待や暴力を受けずにいられる権利。
  2. パーソンフッド*1:身体的統合性と密接に関連しており、リプロダクションやセクシュアリティについて自己決定することと、その決定が尊重されること。
  3. 平等:医療(health service)やあらゆる社会的資源へのアクセスの平等。ただし、単なる女性の男性との平等(gender equality)に留まらず、階級や人種、エスニシティ、年齢、婚姻の有無、性的指向、身体的能力、その他の社会的区分を超えた女性同士の平等も含む。
  4. 多様性:所属集団の親和性や文化的差異を尊重される権利。ただし、その集団への所属が自由に選択されたもので、その集団内部で女性たちが自らの意見を述べることが可能であり、伝統の名の下に集団の主張に従属させられていない場合に限られる。

Petchesky(2003:8)より引用。 訳:塚原久美

*1:以前は「個性」と訳していたが修正