リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

家族計画

リプロダクティブ・ライツの重要な要素のひとつに家族計画(FAMILY PLANNING)の権利があります。Beijing and International Law: UN Treaty Monitoring Bodies Uphold Reproductive Rights(2005)から、家族計画の項を訳してみました。原文はこちら

北京会議行動綱領パラグラフ94では、リプロダクティブ・ヘルスの概念の中に「満足のいく安全な性生活を送ること」と「自らが望む場合に、自らが望む頻度で子どもをもつ能力とそれを決定する自由を有していること」が含まれるとしている。(2)すなわち男女は「自らが選択した家族計画手法ならびに自らが選択した違法ではない避妊に関するその他の手法に関する情報と、安全で有効で手頃で許容されうるアクセスを得る」権利を有するものとする。(3)


条約監視機関のほとんどが、避妊手段への女性のアクセスを高める必要性を認めている。各委員会は一般に家族計画へのアクセスの欠如は健康権の侵害であるとの枠組みで捉えており、人権委員会HRC)と女性差別撤廃委員会(CEDAW)においては、生命権に対する潜在的な侵害であり、女性差別の一形態であるとの枠組みで捉えている。(4)


2001年にベトナムの報告書に対する回答で、CEDAWは次のように述べた:


当委員会はベトナム政府に対して、近代的な避妊手法を幅広く入手可能にし、手頃でアクセス可能なものにする努力を通じて、基本的なヘルスケアへの無料のアクセスを維持し、その家族計画ならびにリプロダクティブ・ヘルス政策を改善し続けることを要請する。さらに当委員会は同政府に対して、HIV/AIDSの予防に特に留意した少年および少女の双方に対する性教育を推進することを要請する。(5)


(2) Beijing Declaration and the Platform for Action, Fourth World Conference on Women, Beijing, China, Sept. 4-15, 1995, U.N. Doc. A/CONF.177/20 (1995) [hereinafter Beijing Declaration and Platform for Action]. para. 94.
(3) Id.
(4) Center for Reproductive Rights & University of Toronto International Programme on Reproductive and Sexual Health Law, Bringing Rights to Bear 133 (2002) [hereinafter Bringing Rights to Bear].
(5) Concluding Observations of the Committee on the Elimination of Discrimination Against Women: Viet Nam, 25th Sess., 518-519th mtg., para. 267, U.N. Doc. A/56/38
(2001).