日本人の低い避妊率を示すデータの一例として、2005年世界人口白書の表から抜き出して以下にまとめた。
避妊実行率(何らかの方法) 避妊実行率(近代的避妊法)
世 界 全 体 61% 54%
先進工業地域 69% 55%
開発途上地域 59% 54%
日 本 56% 51%
ご覧のとおり、世界平均を下回っているばかりか、開発途上地域の平均さえも下回っている。
この統計では、ヨーロッパ諸国をすべて先進工業地域に含めている。そのため、ブルガリア、ポーランド、リトアニアなど、避妊実施率が50%を切る諸国も含まれることになり、平均値はかなり低めになっている。イギリス、アメリカ、ドイツなどの諸国の避妊実行率は、軒並み70%から80%台である。
また、この統計における「近代的避妊法」にはコンドームが含まれているが、最近はこの方法(バリア法)を“近代的”に入れない場合も少なくない。日本人の避妊は圧倒的にコンドームに頼っているため(他の先進諸国では避妊ピルが大多数を占める)、コンドームを近代的避妊法に入れない統計においては、これよりはるかに避妊率が下回ることになる。