リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

国際助産師会の中絶ポリシー変更

6月30日の「国際助産師会が中絶に業務拡大を決定」に要約を加えて書き直しましたので、よろしければご覧ください。

まだポリシーが策定されていませんが、ICMはWHOの勧告を受けて超初期中絶の月経吸引も助産婦の業務に入れることになるでしょう。手動吸引器を使った妊娠6週までの“通経術”(わたしの造語です)を用いれば、妊娠確認前に月経を引き起こさせることも可能になります。(これが中絶になることもあれば、ならないこともあるわけです。)

ICMの方針変更などの国際的な動向を受けて、今の日本の産婦人科の看護師さん・助産師さんたちみたいに、お産に関する教育はたっぷり受けながら、中絶ケアに関する教育を受けないまま、お産も、中絶も任せられているといった悲惨な状況は変わっていくことが望まれます。(現状は、ケア提供者の側にとっても、ケアの受け手側にとっても望ましい状況ではありません!)中絶ケアについては、看護協会がやっている専門看護師制度のように、専門助産師みたいな形で一定の教育と訓練をして認定するといった形が考えられないでしょうか。あるいは母体保護指定医のように、指定助産師みたいな形を取るとか……。

ただ、助産 と midwifery は、似ているようでちょっとニュアンスが違う。助産は「産む」のを助けるのだけど、midwiferyはwife(女の人)を助けること。助産師が中絶介助するのは語義矛盾を感じるけど、ミッドワイフと捉えれば引っかかりが減る。こんなちょっとした差異も抵抗感の強弱に影響しているのかもしれません。

それにしても、国内で助産婦から助産師と名称変更があったからといって、国際組織(ICM)の名前まで国際助産師会とする必要があるのかどうか(自分もその訳を採用しつつも)迷うところです。お産介助も中絶介助も、同じ女性の身体をもつ相手がケアしてくれることによる安心感は大きいと思います。私が出産した助産院のスタッフたちは、「助産婦でいいのよ(そう呼んで)」と言っていました。それは従来からの慣れも大きいのだろうけれど、「女の人に寄り添う女」〜ドゥーラであることに彼女たちは誇りをもっていたと思うし、それは力を引き出し、引き出される関係、シスターフッドの肯定でもあったような気がします。