リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

女性用コンドーム再発売

今さらニュースと書くのも何ですが、売れ行きが芳しくなかったためか、いったん販売中止されていた女性用コンドームを、別メーカーが復活させていたのを知りました。ミニミニ年表を作ったので、ご覧あれ。

  • 1984年 イギリスで、妊娠や性感染症(STD)から身を守る方法として女性用コンドームが開発される
  • 1993年 アメリカのFDAが女性用コンドームを認可
  • 1999年 バイアグラの認可で「二重規範」だと批判を浴びた厚生省がようやく低用量経口避妊薬(低用量ピル)を認可した際に、銅付加IUD、女性用コンドームという新たな避妊法も合わせて認可
  • 2000年 大鵬薬品工業が女性用コンドーム「マイフェミィ」(3個入り800円)を発売
  • 2004年 「マイフェミイ」製造中止
  • 2006年 不二ラテックス 「WO+MAN フェミドーム」を新発売(3個入り2100円)

新しいフェミドームは、「女性が自ら装着するコンドーム」としてHIV等の性感染症(STD)防止の効果を強調しており、ついでに「妊娠も防げる」というノリで売られているのが、前回の「マイフェミィ」とは違うところ。ちなみに実売価格はもっと安く、3個入り1300円という通販店も見かけました(でも、送料は別にかかるのかな?)

最近、世界でも、女性のエンパワーのために女性コンドームを活用しようとする動きが見られます。今のところ(男性用よりは)コストも高いし、使用感についても否定的な意見をよく耳にしますが、女性自身がこれを購入して備えておき、いざとなったら自分で自分に装着できるようにしておくことで、相手の男性に任せず、自衛するという意識を高めるところが、ポイントではないでしょうか。

ついでに、世界の女性コンドームに関する最近のニュース(英文)をご紹介:
High Hopes for Female Condom
Failing Women, Withholding Protection

本当は、バリア法(精子卵子の出会いを妨げる方法)だけではなく、別の方法と併用したほうが避妊効果は高いのですが、もちろん何もないよりは、はるかにマシです。

チツガイ・シャセイというのは、とても失敗率が高い避妊法だし、病気の予防にも全くならないことを知っておいてね!