リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

事実確認が前後しました

先に「今回、中絶された受精卵の“実の親”は、おそらく“自分たちの受精卵”であったことを知らされていないのでしょう。」と書きましたが、朝日comに次の情報があるのを見落としていました。

別の女性への説明、中絶の2カ月後 受精卵取り違え疑惑

2009年2月20日12時3分

 香川県立中央病院(高松市)で不妊治療中の女性Aさんに、別の女性患者Bさんの受精卵を移植した可能性があるとして人工妊娠中絶した問題で、病院側がBさんに対し、中絶から2カ月後の今年1月になって、取り違えなどの事情を初めて説明したことがわかった。松本祐蔵院長らが20日未明に取材に応じた。松本院長は「事前に説明して結論などが出なければ妊娠が継続され、Aさんの負担が増すと判断した」としている。

 また同病院は中絶後も、取り違えが本当だったのかどうかDNA鑑定などによる最終確認を行っていなかった。松本院長は「中絶後の状態からは、調査をするのは不可能だった」と説明している。

 松本院長らによると、Aさんは昨年11月中旬に人工妊娠中絶したが、病院側はこの時点で、Bさんに事情を説明したり中絶の是非を相談したりしていなかった。中絶を伝えたのは今年1月になってからで、Bさんは「残念だった」と言ったという。松本院長らは「中絶の判断に影響を及ぼすのでAさんの家族がBさんに伝えるのを望まなかった」と説明している。

 一方、一連の体外受精の作業をした担当医の川田清弥医師(61)について、同病院の米沢優・産婦人科主任部長は「受精卵操作を1人でやる機会は今回だけではなかった。(受精卵などを取り扱う)胚(はい)培養士が立ち会うより、川田医師1人での作業が多かった。土日は1人。平日もほぼ毎日、受精卵を操作していた」と明らかにした。

 また、Aさん夫婦に対しては、川田医師と産婦人科主任部長、臨床心理士ら4人が昨年11月7日に病院の外来で受精卵の取り違えの可能性を説明した。面会の場になって初めて取り違えの可能性を知らされたAさんは「新しい命なのに産めないんだな」と涙を見せたという。また、翌日に改めて病院で川田医師と部長ら計5人がAさん夫婦、夫婦の母親2人の計4人に説明。母親は「信頼していたのに裏切られた」「川田医師の顔も見たくない」と強い口調で抗議したという。

いったい「体外受精卵」は、誰のものなのでしょう……。