リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

Patient partnership

博論の内容について、なかなか時間を取れなくてブログには書いてないけど、簡単にいえば、人権としてのリプロダクティヴ・ヘルス&ライツの原則に基づき、現代の国際的な生殖コントロール技術の水準を満たしたリプロダクティヴ・ヘルスケアを導入することを主張している。それを書き終えたことで、今、わたしの関心は医療のなかにおける中絶ケアのあり方に向かっている。

欧米にはいくつか中絶ケアのプロトコルがある。たとえばアメリカのNational Abortion Federation(naf)は、女性の健康と権利を守る為にぶ厚い臨床マニュアルや教育プログラムを作成しており、、政策によってケアの実態が悪化したりしないように、ロビー活動も盛んに行っている。

その一環として、nafはpatient parnershipというプログラムも実施している。中絶を受けた当事者の声を議員等に確実に届けることで、当事者不在のままに法や指針が改変されることを防ごうとしているのである。

日本でもまさにこうしたプログラムが必要であろう。いったいどうすれば、当事者の沈黙を破ることができるのか……それが日本のリプロダクティヴ・ヘルスの課題なのである。