リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

オバマ政権への反発?

本日付、「世界日報」というサイトで見つけたニュースです。

「妊娠中絶反対」が多数派にー米世論調査
新政権の中絶推進政策に反発か

 【ニューヨーク15日内藤毅】米国の世論調査機関ギャラップ社は15日、妊娠人工中絶に対する米市民の意識に関する調査を発表し、自らを「中絶反対派」(プロライフ)と見る国民が過半数に達したことを明らかにした。この調査は1995年から毎年行われているが、中絶反対が賛成を上回ったのは初めて。中絶反対を叫ぶ圧力団体からは、「オバマ政権の過激な中絶推進政策への反発」と見る見方が強まっている。

 今回の調査は、5日から7日にかけて成人男女1050人を対象に行われたもの。回答者の51%が自身を「プロライフ派」と見なす一方、同42%が人工中絶を肯定する「プロチョイス派」と選択している。昨年は回答者の50%が中絶賛成派、また、44%が中絶反対派だった。一方、今年の調査では、共和党支持者や各派キリスト教、保守派などに属する市民の間で、「プロチョイス」から「プロライフ」に鞍替えする傾向が強い。

 このうち、保守派では、中絶反対派は、昨年から5ポイント増加の71%、カトリック教会では52%(昨年比7ポイント増)。また、福音派を含むプロテスタント各派でも、同比八ポイント増の59%となっている。また、男女別では、男性は中絶反対派派は54%(8ポイント増)、女性49%(6ポイント増)と伸びている。

 オバマ大統領は就任直後から、海外で中絶を実施する人道団体への資金援助禁止を解除したほか、中絶施術を拒否する産婦人科医の権利への保障を剥奪するなど、積極的に妊娠人工中絶を促進する。一方、大統領の性急さに保守派・中間層の市民からは戸惑いの声も出ていた。今回の調査は、こうした市民感情が反映されているものと見られる。

 ギャラップ社の研究者は、「オバマ大統領の動きは、(これまで妊娠中絶に寛容だった)米市民、特に共和党支持層に大きな戸惑いをもたらした。その結果、プロチョイスの立場から鞍替えしてしまった」と分析する。また、保守派の女性団体「憂慮する米国女性の会」も「皮肉にも、オバマ政権のリベラルな中絶政策は、国民をプロライフ派に転向することを助けてしまった」との声明を出している。

 一方、女性の中絶権を擁護する圧力団体「全米中絶権行動連盟」(NARAL)のナンシー・ケーナン会長は声明で、この発表と過去四年間の傾向が一致しないと指摘し、「米市民の多くは政治家に…、女性の中絶権へ干渉することを望んでいるなどと考えるのは間違っている」と主張している。

2009/5/16 20:35

まあ、両極に大きく中心点を見つけていくアメリカ人にありそうなことですね。単純に「プロライフ派に転向」と二項対立的に見るのは大間違いの元だと思います。