リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

受精卵取り違え事件の結末

本日付財経新聞(I B Times)のサイトに次のような記事がありました。

 香川県高松市の県立中央病院で、体外受精の際に別の人の受精卵を取り違えて移植された疑惑があり、人工中絶した20代の女性と夫が同県を訴えた訴訟で、両者は19日、高松地裁から提示された賠償金820万円の和解案に合意した。両者は和解案を受け入れたため、9月に行われる県議会で承認されると、10月19日に和解が成立する。

 20代の女性と夫は、香川県を相手取り、2,200万円の賠償請求を起こしていた。同県は事実関係と医師の過失を認めたが、賠償金額が高額のため、不服として訴えの棄却を求めた。高松地裁は、7月3日に和解案を双方に提示していた。

 同女性は昨年9月18日、同病院で体外受精を実施されたが、病院側は別の受精卵が入ったケースを作業台に残したまま作業を行い、取り違えた可能性が発生した。同夫妻は遺伝子検査を求めたが、時間が経過すると人工中絶が困難になるとの病院側の指摘に従い、同女性は11月に人工中絶した。夫婦は今年2月に同県を訴えた。

この賠償金が高いかどうかは一概にはいえませんが、少なくとも今後の「ミス」防止のための布石にはなったと言えるでしょう。