リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

子宮内容除去術の経験談

OKWaveの質問コーナーで、中絶を受ける前にどんな手術か知りたいとの質問者に対して、流産経験者から次の回答があるのを見つけました。推測なのですが、この方は流産処理であったため、「子宮内の物をすべて取り出す手術」という説明を受けているのではないでしょうか。そのためか冷静で手順の説明も明確であり、受ける当人の状態もわかりやすいので、関連部分を引用しておきます。原文はこちらです。

流産の診断を受けた後、子宮内の物をすべて取り出す手術を受けました。
静脈から麻酔を入れて全身麻酔を行って処置を・・・、という手順で、朝、入院し、昼に退院というスケジュールでした。

8:30に手術開始。
10:30頃に目が覚め、
11:30頃に朦朧とする意識のまま、薬服用の為にサンドイッチを食べましたが、食欲ゼロ。お茶で無理矢理、胃にサンドイッチを流し込んだ感じです。
12:00過ぎに術後の診察を受け、13:00に退院。
(旦那に車で迎えに来て貰ったのですが、一人では歩けない状態で退院でした・・・)

麻酔の所為でしょうか。
手術を受けた日は、家事なんて出来る状態ではありませんでした。
兎に角、立って居られない。世界がグルグル回るし、吐き気に襲われるし、横になって静かにしていないと駄目でした。
ただ、翌日は普通で、術後の出血や痛みも無く、一週間後の診察でも問題が無いと言われました。

術後の治りは人それぞれです。
(一週間はお風呂禁止、傷が癒着する危険性があるので安静を維持するように、という点はキッチリ守りました)

この回答者の場合も、しばしば聞かれるのと同様、やはり全身麻酔の副作用がひどかったようです。初期中絶に全身麻酔を施すことをWHOは推奨していません。リスクの高い全身麻酔を施す必然性がないからです。

では、なぜ、日本では全身麻酔が慣行化されているのか? 現在の日本のようにノー・カウンセリングのままでは、部分麻酔で中絶や流産の後処理をおこなうことは非常に難しいからでしょう。女性の健康の視点に立てば、ちゃんとメンタルケアをして、エヴィデンスのある安全な方法(初期中絶ではRU-486や吸引)のメリット/デメリットを女性に説明し、インフォームド・コンセントを得るのが妥当だと思われるのですが、日本の産婦人科ではあいかわらずほとんど説明もメンタルケアもないまま、医師が選んだ方法で子宮内用除去術をおこなうのが慣行になっているのです。

女性の側から、トータルな女性の健康を守る医療を求めていく必要があります。