日本経済新聞デジタル版 本日付けの記事
東京地検は8日、妊娠中の交際女性に子宮収縮剤を投与して流産させたとして、医師、小林達之助容疑者(36)を不同意堕胎罪で起訴した。刑法215条で規定される不同意堕胎罪の適用は異例。法定刑は6月以上7年以下の懲役。
起訴状によると、交際していた女性の妊娠を知った小林被告は、2009年1月上旬ごろ、子宮収縮作用を含む錠剤を「ビタミン剤」と偽って女性に手渡し、複数回にわたり都内の女性宅で同錠剤を服用させた。そのうえで同月12日、栄養補給と装い陣痛を誘発する点滴薬を打ち、女性の同意を得ないまま妊娠約6週間の胎児を堕胎させたという。
後日談貼り付けます。
不同意堕胎で被告の医師に有罪判決 執行猶予5年
東京地裁、社会的制裁など情状酌量日本経済新聞 2010年8月9日 18:05
交際相手に子宮収縮剤などを投与して流産させたとして、不同意堕胎罪に問われた医師、小林達之助被告(36)の判決公判が9日、東京地裁であった。田村政喜裁判長は「医師の立場を利用して犯行に及んでおり、強い非難を免れないが、社会的制裁を受けるなど酌むべき事情もある」として、被告に懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年)を言い渡した。
不同意堕胎罪の審理は前例が少なく、量刑が焦点だった。
田村裁判長は判決理由で「交際相手の妊娠が発覚して妻と別れることになるのを恐れたとの動機は、身勝手で自己中心的」と指摘。「被害者の処罰感情には厳しいものがあり、刑事責任は重い」と述べた。
一方で、犯行を認めて謝罪していることや、勤務先の病院を懲戒解雇されたこと、医師免許を返上する意向を示していることなど、情状酌量の余地を認め、執行猶予を付けた。
検察側は論告で「今回のように悪質なケースで厳罰を科さないと、今後不同意堕胎罪で実刑を科すことが難しくなり、適正な刑罰法令の適用が阻まれる」として実刑を主張。小林被告は「被害者を深く傷つけたことをおわびする」と謝罪し、弁護側は「場当たり的な犯行で、反省している」として猶予付き判決を求めていた。
判決によると、小林被告は交際相手が妊娠したことを知り、2009年1月、栄養補給などと偽って子宮収縮作用のある薬剤を飲ませたり、陣痛を誘発する点滴薬を打ったりして、妊娠約6週の胎児を堕胎させた。