リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

第3次男女共同参画基本計画(平成22=2010年12月17日決定)

またしても後退

「リプロ」の文言が出てくるのは、以下の1か所のみ。

第10分野 生涯を通じた女性の健康支援
<基本的考え方>
男女が互いの身体的性差を十分に理解し合い、人権を尊重しつつ、相手に対する思いやりを
持って生きていくことは、男女共同参画社会の形成に当たっての前提と言える。心身及びその
健康について正確な知識・情報を入手することは、主体的に行動し、健康を享受できるように
していくために必要である。特に、女性は妊娠や出産をする可能性もあるなど、生涯を通じて
男女は異なる健康上の問題に直面することに男女とも留意する必要があり、「リプロダクティ
ブ・ヘルス/ライツ」(性と生殖に関する健康と権利)の視点が殊に重要である。
こうした観点から、子どもを産む・産まないに関わらず、また、年齢に関わらず、全ての女
性の生涯を通じた健康のための総合的な政策展開を推進するとともに、男女の性差に応じた健
康を支援するための総合的な取組を推進する。

「中絶」が出てくるのは以下の6か所のみ。

2 妊娠・出産等に関する健康支援
具体的施策
……中略……
イ 周産期医療や救急医療体制、小児医療体制の充実
①妊娠から出産までの一貫した母子保健サービスの提供
・日常生活圏において、妊娠から出産まで一貫して、健康診査、保健指導・相談、医療
援護等の医療サービスの提供等が受けられるよう施策の一層の推進を図る。
・妊娠・出産や人工妊娠中絶等の悩みを抱える者に対して、訪問指導等の母子保健事業
を活用した相談支援のほか、「女性健康支援センター」等での相談援助体制の整備を
図る。

人工妊娠中絶の心身への影響についての知識等の普及
人工妊娠中絶が女性の心身に及ぼす影響や安全な避妊についての知識の普及を図る。
……中略……
カ 性に関する指導の実施と科学的な知識の普及
……中略……
②保健所における健康相談等
・思春期の人工妊娠中絶HIV感染症を含む性感染症問題に対応するため、保健所に
おいて健康相談、電話相談等を行うことにより、人間としてそれぞれの性を尊重する
こと等正しい理解の推進と性に関する科学的な知識の普及を図る。

人工妊娠中絶・生殖補助医療について
少子化の進展や科学技術の進歩等の中で、人工妊娠中絶・生殖補助医療に関する法制
度等の在り方について、多様な国民の意見を踏まえ、検討が行われる必要があり、そ
の議論に資するよう、必要に応じ実態の把握等を行う。