リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

経口中絶薬(RU486):薬物流産における経膣超音波断層法の有用性の第2報

産婦人科‧眼科
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2010年12月31日23:29
カテゴリお知らせ
経口中絶薬(RU486):薬物流産における経膣超音波断層法の有用性の第2報
RU486とミソプロストールの併用による薬物流産の臨床応用は1988年に開始され、20年間が経過しました。その有用性はWHO(世界保健機構)も認め、初期妊娠流産法として推奨しています。


薬物流産の成功率は92%から98%ですが、胎嚢(たいのう)排出後の出血量の減少と出血期間の短縮に対しては色々な工夫が試みられました。

最近、中国では340名の薬物流産希望者を対象に、投薬前から完全流産するまでの間に3回から4回、全症例の経膣超音波検査を実施しました。その結果を、妊娠期間と子宮内胎嚢の大きさによる治療効果の違いが比較できるよう、まとめたものが下の2つの表です。
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<表1>
(1)妊娠期間42日以内:
症例数151名、完全流産 147名(97.35%)、不全流産 4名(2.65%)、妊娠継続 0名、出血期間14.72±7.61日
(2)妊娠期間43-49日:
症例数189名、完全流産 178名(94.18%)、不全流産 5(2.65%)、妊娠継続 6名(3.17%)、出血期間17.87±9.23日
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<表2>
(1)胎嚢の大きさ<12mm:
症例数131名、完全流産129名(98.47%)、不全流産2名(1.53%)、妊娠継続0名、出血期間14.52±7.95日
(2)胎嚢の大きさ12-16mm:
症例数125名、完全流産120名(96.00%)、不全流産4名(2.40%)、妊娠継続2名(1.60%)、出血期間16.59±7.43日
(3)胎嚢の大きさ16-20mm:
症例数61名、完全流産57名(93.44%)、不全流産3名(4.92%)、妊娠継続1名(1.64%)、出血期間19.42±9.84日
(4)胎嚢の大きさ>20mm:
症例数23名、完全流産20名(86.96%)、不全流産0名、妊娠継続3名(13.04%)、出血期間21.40±11.4日
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表1の妊娠期間での比較では、各項目とも、42日以上と43日から49日の2つのグループ間に統計上の有意な差が認められません。


胎嚢の大きさで区分けした表2をみると、出血期間が、胎嚢が12mm以下の人は2週間、12mmから20mmの人は2週間から3週間、20mm以上の人になると3週間以上と、胎嚢の大きさにしたがって延長しています。


以上のことから結論として、子宮内妊娠確認後のRU486の服用開始が早いほど完全流産率が高く、出血期間も短縮することができるといえます。

(東産婦人科‧眼科院長 東芳賢(あずま よしつね)


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