リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

先進国最下位の日本の男女格差

以下は本日付で讀賣新聞のサイトにあった記事です。タイトルは「日本の男女平等度、75位→101位」、小見出しに「国内の女性団体などの指摘受け、下方修正」とあります。

 非営利団体世界経済フォーラム」(本部・ジュネーブ)が毎年発表している各国の男女格差報告で、日本は2009年に134か国中75位とされたが、国内の女性団体などの指摘を受けて、先月末に101位と訂正された。

 世界の下位という不名誉な結果となった。

 ダボス会議を主宰する世界経済フォーラムは、06年から各国の男女平等の度合いを指数化して順位付けしている。

 日本は、80位(06年、115か国調査)、91位(07年、128か国調査)、98位(08年、130か国調査)と年々順位を下げ、先進国中最低レベル。特に経済、政治分野の遅れが目立っていた。

 ところが、昨年10月末に公表された指数は一気に順位を上げ、75位。特に経済分野での「専門的・技術的職業従事者」の女性割合が前年の69位から1位に、「弁護士・政府高官・経営者」の女性割合が同101位から6位と急上昇していた。

これはどう見たって変ですよね……日本が1位だなんて、感覚的にも信じられない。

 これに対して、働く女性で作る市民団体「ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク(WWN)」が「現実とかけ離れたランク付け」と指摘し、国連や国の統計を引用して質問書を送るなど、国内から疑問の声が上がった。

 また金沢大准教授の杉橋やよいさん(経済統計学)も「引用データが誤っているのでは」と、国際労働機関(ILO)のデータベースを用いて再計算、指数の誤りを指摘する質問書を送っていた。

 杉橋さんに対して同フォーラムから回答があったのは先月24日。指摘通りに数値を修正し、順位を訂正する内容。同フォーラムのホームページ上で、日本は101位に下げられた。

 杉橋さんは「国の白書にも引用される順位で、影響力が大きい。修正は仕方がない」とし、WWNの越堂静子さんも「不名誉な訂正だが、現実が反映された」と話している。

(2010年4月5日 読売新聞)

やっぱり……という結末ですが、あら、間違いを指摘したのは金沢大の人じゃないですか、すごい! 今度、お話し伺えないかしら……。

それにしても、女性が「男性化」しない限り活躍できないような社会のありようを放置し、女性が子どもを産まないことについて女性に責任転嫁するなどもってのほかですね。状況を変えるには、目に見えにくい差別を掘り起こして是正していくことが必要だし、そのためにも様々な決定の場に優先的に女性を登用していく仕組みを作ることが先決でしょう。リプロの分野でも、まだまだやることがあります。