リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

オクラホマの法律

abcのサイトで、次のような報道を見つけました。

中絶を希望する女性に超音波診断と胎児の詳細な様子を説明して聞かせることを義務づける州法が制定され、レイプの場合でさえも例外にならないとのことで、被害者にとっては二重の暴力だと批判が出ています。

Oklahoma Abortion Law: No Exceptions, Even Rape
Women Left Clinic Crying; Sexual Abuse Victims Say Sonogram and Lecture Doubly Traumatize Women
By SUSAN DONALDSON JAMES
April 29, 2010

次は州知事の拒否権が否決されたことを報じる記事です。

Abortion-Rights Group Sues to Block Okla. Bill
Group sues to block Okla. abortion bill that became law with Senate override of veto
By TIM TALLEY Associated Press Writer
OKLAHOMA CITY April 27, 2010 (AP)

センター・フォ−・リプロダクティヴ・ライツは、女性のプライバシーの侵害になる、医療に無関係な情報を強制的に聞かせる、患者と医師の関係性を悪化させる、医師に望まない情報提供を強制するなどの点で批判しています。中絶を選択する女性の多くが、自分で望んでそうするというよりも、状況的に仕方がなく選ばされるような状態にあると思われるため、レイプのケース以外でも、多くの場合、女性に対する心理的暴力になると言ってよいのではないかと、私は思います。

それにしても、どうしてこういう極端な話になってしまうのでしょうね。もう少し良識的な解決法はないものかと思います。