リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

性教協石川セミナー

本日、性教協石川セミナーの第2分科会「産む、産まない、産めない 女性の健康の観点から」でお話しさせていただきました。学生さんも多かったのですが、性教育に携わってきた先生方も、「全く知らなかった」と日本の中絶状況が海外と全く異なることに驚いてらっしゃいました。

事後避妊薬について質問が出たので、モーニング・アフター・ピルのキットとして「PLAN-B」という製品があること、このキットをOTC薬化すること(店舗販売可能な薬にすること)が海外では重要な争点になっていることをお話ししました。ホワイトボードに書いたので印象に残ったのかもしれませんが、この事後避妊薬キットを日本でも薬局で買えるようにすべきだとの意見に傾く方が非常に多く、副作用が多い「避妊ピルの代用」で事後避妊を行うのではなく、事後避妊専門薬を導入していくよう訴えていくべきだと改めて思わされました。

WHOは事後避妊薬を必須薬品リストに入れていたはず。あとで確認しておきます。

6月1日追記:
2009年3月のWHO Model Lists of Essential Medicines第16版に、levonorgestrel 750mg(pack of two)とあるのがPLAN-Bに相当しますね。

だけど、この2月にPlan-Bより有効期間が長い(性交後5日まで効果がある)新しいモーニング・アフター・ピルEllaone(30 mg ulipristal acetate含有)のほうは、まだWHOには認定されていないようです。EllaoneはEU諸国で処方薬として販売されていますが、Plan-Bはヨーロッパでも北米でも店頭(OTC薬)販売されています。日本はどちらもまだ認可されておらず、避妊ピルを流用する形で副作用の多い「事後避妊」が行われているというのが実態です。


以下は英語の情報ですが……
2010年1月28日付けUSA TODAYの記事(New morning-after pill ellaOne works up to 5 days)はこちらを参照してください。
Plan-B(Levonorgestrel使用)とEllaone(Ulipristal acetate使用)の比較に関するLancetの記事はこちらを参照してください。