リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

アイルランドで中絶合法化

これまで女性の健康上の理由による中絶までも厳しく取り締まられてきたアイルランドですが、中絶を必要としながら拒まれた妊婦が死亡した事件を受けて、ようやく重い腰を上げ、規制緩和の方向に動いたようです。

CNN.co.jpでは次のように報じています。

アイルランド政府は18日、妊婦の生命が危険にさらされている場合に人工妊娠中絶を認める法規制の導入を決めた。ライリー保健相が明らかにした。

アイルランドでは10月、インド出身でアイルランドに住んでいたサビタ・ハラパナバールさん(31)が入院中に流産しかかっていると診断されて強い痛みを訴えたにもかかわらず人工妊娠中絶手術を拒まれ、敗血症で亡くなった。同国ではこれをきっかけに人工妊娠中絶をめぐる論争が起こり、今回の決定はそれを受けた措置だ。

現在、アイルランド政府は人工妊娠中絶の専門家グループの報告書を基に法案作りを進めており、数カ月以内にまとまる見通しだ。しかし、国民の大半がカトリック教徒である同国では賛否が分かれそうだ。

前途多難のようですが、かといって女性を「見殺し」にしていいわけはありません。

ライリー保健相は、人工妊娠中絶問題をめぐる国民感情の強さは認識しているとした上で、政府には妊婦の安全を確保する義務があると指摘。「そのために、われわれは、妊婦の生命が危険にさらされている場合に取りうる処置を法規制で明確化する」と述べた。

10月に死亡したハラパナバールさんの夫によると、ハラパナバールさんは入院中に、医師から胎児は恐らく助からないと告げられたという。激痛が続いたため、ハラパナバールさんは人工妊娠中絶手術を求めたが、アイルランドカトリックの国であり、胎児が生きている間は中絶手術を行えないと拒否された。その3日後に胎児は死亡して摘出され、さらに4日後の10月28日にハラパナバールさんも亡くなった。

激痛のまま放置されたのもむごいことだし、他の国に住んでいたとしたら助かった命だったはずです。英文ですが、亡くなったSavita Halappanavarさんのケースについてもうちょっと詳しいものとしては、The IndependentFOX NEWSの記事があります。