リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

経口中絶薬の輸入は可能か

厚労省のサイトに「個人輸入される経口妊娠中絶薬(いわゆる経口中絶薬)について」というページ*1があります。その説明の中に、次の一文があります。

経口妊娠中絶薬については、これまでは少量であれば厚生労働省での手続きが無くても個人で輸入できていた取扱いを改め、原則として、医師の処方に基づくことが地方厚生局で確認できた場合に限って輸入が可能となるよう、個人輸入を制限することとしました。

少量であれば個人輸入できるというのは英文のほうで確認できました。(あとで日本語も探しておきます。)これによれば、一般に一人1セットは購入できることになっているようです。

冒頭の案内は、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課から出ているので、最初は地方厚生局(東京甲信越地方厚生局)の麻薬取締部に電話をかけたのですが、医事課にかけなおすように求められ、医事課の専門官の方に話を伺いました。

結果としては、「医師の処方せんさえあれば、所定の手続きを踏んで輸入できる」とのことでした。(ただし、けっこう面倒そうです・・・。)

所定の手続きはここのページの下の方、「5.提出書類について――1.個人使用のために輸入」をご覧ください。通常、数日で許可証が手元に届くそうです。窓口に持っていけば、即時発行も可能だとのことでした。

ひとつの難関は、「どこが売ってくれるか」です。一般に、中国系のRU486は質が悪く、成功しないことも多いのだと聞きます。検索してみたら、Danco laboratoriesのMifeprexの販売情報がありました。医師にしか直販しないとありますので、処方せんを書いてもらって、医師に注文してもらえれば、合法的に輸入できそうです。

次の難関は「医師が処方せんを書いてくれるか」ということです。未承認薬でも、医師が必要性を認めれば処方せんは書けるそうです。この薬の安全性を広く知ってもらって、全国のお医者さんが処方せんを書いてくれるようになればいいのだけど・・・。

もっといいのは、日本で承認されることです。全国の産婦人科の先生に、中絶するときに「中絶薬は使えませんか?」と言い続けるしかないでしょうかね。

*1:2013年4月26日現在、書き換えられていました。私の問い合わせが影響したのでしょうか?