拡散歓迎ということなので,ご紹介します。森美術館の会田誠展は,私も個人的に非常に問題視しており,みやもとさんたちの活動に賛同します。
ポルノ被害と性暴力を考える会のみやもとせつこです。
今年の冬に、森美術館で開催されていた会田誠展に関してみやもと個人の抗議文を書
き、賛同者を募りましたところ、会の皆さま多くの方から賛同の意を表明していただ
きました。本当に有難うございました。どんなに勇気付けられたことでしょう。
皆様方の賛同者を含めて288名の賛同者名簿を添えて、ポルノ被害と性暴力を考える
会として、森美術館に抗議におもむき、責任者と話し合いを持ちましたが、表現の自
由がある、美術館の使命は芸術作品の紹介にあるとのことでは話し合いは平行線で、
なぜ私たちが抗議をするのかという点についての理解を得ることはできませんでし
た。抗議しただけでは面白くないので、なぜ抗議しなければならいないのかを、一冊の本
にまとめてこのほど出版いたしました。
本の目次を添付します。内容は以下のとおりです。
第1部「森美術館問題、私はこう考える」では、8人の方が、さまざまな視角から今
回の問題を批判的に論じています。会田誠展をめぐっては、多くの人が会田の実質的
な暴力ポルノ作品に嫌悪や恐怖を感じながらも、それが「天才画家の作品」「芸術作
品」として「一流美術館」の個展で展示されたために、権威に気圧され、無力感を抱
かされて、口を閉ざさざるをえなかったと思います。実際、どのような批判の言葉を
紡ぎ、発することができるでしょうか。8人の方々がそれぞれ、多様な視点から、力
強く、批判論を展開されています。まず、政治思想学者の岡野八代さんは、「何に、私は危害を感じているのか?」と
題して、自分自身の感じた「足元がぐらつく不安感、ぞわっとする嫌悪感、得体のし
れない恐怖感」の正体を、アメリカの政治学者の「ヘイトスピーチと被害」という議
論を参照しながら、つきとめようとします。
次に、フェミニズム・アート批評が専門の西山千恵子さんは、ずばり「『芸術』の
驕りと女たちの沈黙」と題して、今回の問題の核心に迫ります。西山さんは、作家や
プロデューサーが話題作りのために少女への性暴力表象を公共化し、「現代芸術」を
言い訳にするとき、私たち自身が芸術信仰やコンプレックスから自由になり、女性蔑
視と性暴力の視点から解釈を徹底することで芸術の特権性を突き崩していくべきこと
を訴えます。そのほか、イダヒロユキさん(ジェンダー論)が、今回の問題の意味を、広く今日
の日本社会を覆う秩序(の維持)という観点からとらえ、森田成也さんは、社会の良
識派が在特会のヘイトスピーチを批判し、法的規制さえ求めるのに対して、森美術館
問題に関しては、批判者を非難するか沈黙するのはなぜかと問題を立て、社会に根深
く構造化された女性差別性をえぐり出し、前田朗さん(刑事人権論)が、世界のヘイ
トスピーチ規制さらにはジェンダー・ヘイトスピーチ規制の現状を紹介し、世界標準
から逸脱した日本社会の異常性を浮き彫りにします。
さらに、3人の方によるがそれぞれの現場からの報告が続き、梅山美智子さん(フ
リーライター)が男性雑誌の編集者であった経験から、制作サイドと小売り業界の実
態や制作現場での労働のあり方について問題を指摘し、今後の市民による介入の仕方
について方向性を打ち出しています。宮口高江さん(ヒューマン・サービスセンター
理事)は森美術館の所在地の港区で、今回の展示を男女平等参画条例に違反する行為
と考え、行政(同条例苦情処理委員会と区長)への訴えと区議会への請願を行なった
経過を報告され、横田千代子さん(本会世話人)が、婦人保護施設で大勢の性暴力被
害者と向き合ってきた経験から、会田作品が性暴力以外の何ものでもないこと、その
立場から森美術館館長と本会が行なった話し合いを振り返っています。第2部「森美術館問題をめぐる討論集会」は、2回にわたって開催された討論集会
の各報告者の発言の記録です。集会に参加できなかった人も、これを読めば、報告者
の発言の全体像を知ることができます。 第3部「資料編」も充実していて、本会の
抗議文、森美術館の回答、上記した港区議会への請願書、その他個人や団体による抗
議文や申し入れ書が掲載されています。若干我田引水になりますが、どの論考も新鮮で眼から鱗の思いをします。少なくとも
私は・・・。もしよろしかったらお手にとって見て下さい。そしてさらにお願いはこの情報をでき
るだけ拡散してください。
申し込み先
みやもとのメールアドレスへ GZV05067@nifty.com
値段:1890円+送料
送り先住所・氏名・部数みやもと せつこ
p.s. この本の執筆者のお一人の前田朗さんの9月13日のブログを添付します。どうぞ
参考になさってください。ポルノ被害と性暴力を考える会編『森美術館問題と性暴力表現』
http://maeda-akira.blogspot.ch/2013/09/blog-post_13.html
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