リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

トイレで出産した女児を窓から… 24歳の女が明かした呆れた「理由」とは?!

水戸支局 桐原 正道 2016/1/16 産経新聞

自宅のトイレで女児を出産し、へその緒を引きちぎって窓から「捨てた」-。そんな信じられない行為に及んだのは、茨城県鉾田市に住む無職の女(24)。県警に保護責任者遺棄致傷容疑で逮捕、起訴され、8日に水戸地裁(長島銀哉裁判官)で初公判が開かれた。検察側の冒頭陳述などで明らかになった犯行の一部始終は、想像を絶するものだった。


事件の発覚は昨年11月3日に遡(さかのぼ)る。同日午前7時25分ごろ、鉾田市当間の路上で、生まれて間もない女児が全裸で泣いているのを近隣住民の男性が発見し、110番通報した。駆けつけた救急隊員が同7時47分に体温を測定したところ、何と24度。極度の低体温状態で、公判に提出された医師の調書に「あと少し発見が遅れていれば命の危険があった」と書かれたほどだった。


女児は搬送先の病院で保育器に入れられ、入浴させるなど懸命な治療を受けて同9時半には体温が32度まで上昇。診察した医師は全治2週間の低体温症と診断した。「全治2週間」とはいえ、低体温状態が続いたことによる後遺症の有無については「1~2年の経過観察が必要」という。

事件から3日後の11月6日、県警鉾田署は保護責任者遺棄致傷の容疑で、女児が捨てられていた現場近くに住む女を逮捕した。DNA鑑定などから女児の母親と特定した。女は県警の調べに対し「自宅で一人で産んだ。産むことを誰にも相談できなかったので、仕方なかった」などと供述した。

迎えた今月8日の初公判。検察側の冒頭陳述や被告人質問などで明らかになった犯行の一部始終は以下の通りだ。


女は高校卒業後、職を転々としており、犯行時は市内のスーパーでパート従業員として勤務。祖母と実母との3人暮らしだった。犯行前、出会い系サイトを使い5人の男性と肉体関係を持っており、昨年の春ごろには生理が来ないことから妊娠に気付いたという。


しかし、「結婚を前提としない妊娠を家族に怒られると思った」といい、妊娠の事実を家族に打ち明けないどころか、産婦人科を受診することもなかった。女児の父親とみられる男性にも「(妊娠の事実を)言ったら逃げられる」と思い、切り出せなかったという。

そして、ついにその日が訪れる。11月3日午前6時ごろ、寝室で祖母と母親と川の字になって寝ていた女は、激しい腹痛から出産が間近であることを認識。「とにかく家族に知られたくない」と、トイレで出産することを決意して、1階のトイレにこもった。


便器内に女児を産み落とすと、へその緒を両手でちぎって、女児を胎盤もろとも下水に流そうと水洗レバーを引いた。しかし、女児の「生きたい」という願いが通じたのか、流れなかった。


女は女児の左足をつかんで便器から拾い上げ、トイレの高窓から外に落とすと、今度は外に出て、自宅境界にある高さ約1・5メートルの塀の外に投げ捨てた。


外は小雨が降り、冷え込んでいた。そんな中で女児は約1時間、母親の保護を求めて生まれたままの姿で泣き続けていたのだ。「どうしてよいか分からず、頭が真っ白になっていた」というその女は、泣き声を自宅内で聞きながら放置した。


被告人質問で女は女児について「私には収入がないので子供を育てられない」「赤ちゃんはかわいそうだと思う」などと発言。まるで人ごとのような態度に、長島裁判官から「育てられないなら、どうしますか?」と問われ、「子供がいない家庭に預ける」と小さな声で答えた。

長島裁判官は女を「子供にとって血を分けた母親は未来永劫(えいごう)、あなたしかいない。これだけは覚えておいてください」と諭した。


公判は即日結審となり、検察側は論告で、「女児の生命を極めて危険な状態においた残忍な犯行で、女児が受けた肉体的、精神的な苦痛は大きい」などと指摘。懲役3年の実刑判決を求刑した。


弁護側は「被告には前科前歴がなく真摯(しんし)に反省している。今後は祖母や親族が監督を約束している」などと主張。起訴状に記載されている「塀越しに路上にほうり投げて遺棄」という文言について、「ほうり投げたのではなく、落としただけだ」と述べた上で、執行猶予付きの判決が相当だと訴えた。


女への判決は22日に言い渡される。