リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

セクシュアリティと女性

またしても京都の某大学でジェンダー関連講座を非常勤で教えに行く時期がめぐってきました。今年で3年目なのだけど、なぜかちょうどこの時期に雑誌「an an」のSEX特集が発売されていることに気が付いた。

大学生の授業の参考になるかと、去年、一昨年と買ってみたけど、当然ながら2人のコミュニケーションは平和的で、女の子の心をくすぐるように作られており、男性メディアに出てくる暴力的な男性像はまったく見られなかった。1990年代にわたしが仲間と女の女による女のための「フェミニスト・エロティカ」を翻訳した時には、さっぱり売れず、10年早いと言われたものだ。そのころから見れば、まあ、事態は進化したといえるのだろう。

だけど、現実はどうなんだろう……。デートDVの認識はまだまだ高いとは言えないし、モデルにスカウトと騙した女の子を無理やりポルノに出演させるなんて話も未だに聞くし、全国紙の男性週刊誌や精力剤の宣伝には、子どもたちには見せたくないような写真や文言が飛び交っているし、コンビニの「アダルト」コーナーは、あいかわらず誰にでもアクセス可能な状態だし……。

日本社会で公認され当然視されている「男の欲望」のまなざしには、時に女性に対する蔑視や差別の意識があからさまに感じられて、胸が悪くなる。

日本だけではない。メディアには女性蔑視があふれているということを思い出すために、以前紹介した、Grimes医師の"Misogyny and Women's Health"を思い出した。Grimes医師の発表を紹介した日の日記をリンクしておくので、女性蔑視的なメディアの問題に関心があって、まだ観てない人はぜひご覧ください。