中高校生など18歳未満の場合、たとえ性行為に合意していても各都道府県の条例違反として罪を問うことができるそうです。なんとなく知っているようでよくわかっていなかったのですが、強姦罪に問えないケースで泣き寝入りする人が減るように、改めて情報を集めておきます。
まず例として東京都と石川県の該当する条例の条文と罰則を見てみます。
東京都青少年の健全な育成に関する条例
(青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)
第十八条の六 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。
(罰則)
第二十四条の三 第十八条の六の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
いしかわ子ども総合条例
(みだらな性行為等の禁止)
第52条
何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
(罰則)
第92条
第52条第1項の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
条文の文章が少々違うのと、罰金の額が違いますね。石川県では性行為に限定せず「わいせつな行為」も処罰の対象にしています。このように、都道府県の条例にはいろいろな違いがあるようです。
たとえば、東京都と石川県は青少年を18歳未満としていますが、必ずしも18歳でない都道府県もあるそうです。また、相手の年齢が18歳未満(青少年に該当する年齢)であることを知らなかった場合でも処罰されるかどうかも条例によって違うようです。(東京都は知らなかった場合でも処罰されるし、石川県の場合は相手の年齢を知らず、その知らなかったことに過失がない場合は除外されることになっています。)
なお、「みだらな」という言葉がつくのは恋愛関係や交際関係でない場合を指すようです。ほとんどの青少年育成条例では、18歳未満の人が性交に同意していたとしても「みだらな性行為」であれば条例違反にあたります。また、18歳未満同士の性交についてはこれらの条例の対象外になるそうです。
関連する言葉の定義を押さえておきましょう。「強制わいせつ」と「強姦」の罪は刑法に定められています。
(強制わいせつ)
第百七十六条 十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。(強姦)
第百七十七条 暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
「淫行」については、警視庁の「淫行」処罰規定のページに説明があります。
とりあえず。