リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

避妊リングはタンポンの要領で

避妊リング:日本では医師が子宮内に装着 海外では女性が自分で膣内に装着

また見つけた。日本と海外で違うリプロダクティヴ・ヘルス

英語の文献で、避妊方法として"vaginal ring"というのが出てきた。「え? リングって子宮内に装着するんだよね?」と思って調べてみたら、"intrauterine ring(子宮内リング)"は1928年にドイツのGräfenberg(グレーフェンベルグ)が導入したという歴史の説明が見つかった。(日本ではしばしばリングの発案者の一人として太田典礼も並んで紹介される。)

一方、1976年にはホルモンを放出するタイプの"intravaginal ring(膣内リング)”について4人の女性に治験が行われたとことを報告する論文が見つかった。その後、1980年代をかけて様々なタイプが試されたようで、どうやら1990年代初頭にはレボノルゲストレルを放出するタイプの膣リングに落ち着いたらしい。

つまり、海外でいう「避妊リング」とは今では「膣内リング」のことなのに、日本では今でも「避妊リング」は「子宮内リング」だと認識されているように思われる。

実は膣内リングと子宮内リングでは話が大違いだ。膣内なら自分で装着したり外したりできるからだ。第一に女性の自由度が違うし、コストも価格も違ってくる。

実際、アメリカで唯一認可されているという膣内リングNUVARINGのサイトで使い方の説明を見たら、「膣への挿入は難しいように思うかもしれないけれど、タンポンと同じように自分(の手)で入れたり出したりすればよい」と説明されていました。

一方、日本家族計画協会のDr.北村は、IUD(子宮内避妊用具)を説明する中で、「IUDは子宮内避妊具、リングなどとも呼ばれる」「自分では入れられないからね」と説明しています。

ちなみに、PubMedで"intrauterus-ring"および"intravaginal-ring”で検索した結果を参考にしました。