リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

韓国の堕胎罪違憲判決について

Human Rights Watchの情報2つ

ヒューマン・ライツ・ウォッチは東京にも支部があるようなんですが、中絶に関する日本語情報は残念ながら見当たらないようです。英語の資料を貼り付けておきます。

South Korea’s Abortion Reform A Model for Others
More Countries Should Join Global Trend Toward Easing Abortion Restrictions

Janet Walsh
Deputy Director, Women’s Rights Division

www.hrw.org

日本も後に続きたい……

Amicus Brief: Decriminalization on Abortion in South Korea

Honorable Justices of the Constitutional Court of Korea

Amicus Briefとは法廷助言書(法廷に第三者が出す意見書のようなもの)のこと。力強い! すばらしい! 日本でも裁判になったら、こういう文書を頂けるのだろうか? ちょっとだけ訳して紹介します。

安全な中絶にアクセスできることは人権の不可欠な一要素です。国際人権法の権威による解釈では、女性や少女に対して中絶へのアクセスを拒むことは差別の一形態であり、人権の領域を脅かすことであると見なしています。

www.hrw.org

結局、日本の「刑法堕胎罪&優生保護法」体制を真似して堕胎罪を作り、別の法律で一部中絶を許容するという中絶体制を敷いてきた韓国が、本家本元より先に中絶を脱犯罪化したばかりか、「堕胎罪&一部許容」というありかたの差別性を暴いてみせたんですね。

韓国の堕胎罪は66歳で終わりました。日本の堕胎罪は現在132歳で記録更新中です……。