中絶は女性の人権
昨年、中絶を脱犯罪化したアイルランド共和国と英連邦の北アイルランドで、画期的な判断が続いています。
昨年、中絶禁止は人権侵害であるとして、中絶を脱犯罪化した北アイルランドで、来週、妊娠12週まではオンデマンドで(理由を問わずに)中絶を行えることを定めた法律が来週施行されます。北アイルランドで中絶を行えるのは指定された医療機関だけですが、提供者は医師と登録看護師、登録助産師となっています。
さらに、ビッグ・ニュースです! 新型コロナウィルスのパンデミックが続くあいだだけと限定しながらも、アイルランドの保健相が、世界で初めて中絶薬の遠隔診療を許容しました。
アイルランドの中絶薬遠隔診療許可について少し背景説明を。
今回のパンデミックを受けて、多くの国々で「不可欠な医療」に該当しない医療行為は後回しにされています。この機に乗じて、中絶反対派は「中絶は任意医療であり不可欠ではない」と強く主張しだしました。
しかし、当事者にとって中絶は先延ばしにできるものではありません。このままでは、絶望し、危険な闇中絶に走る女性が出ることのではないかと強く懸念されています。
一方、中絶薬は正しく使えばとても安全な薬です。ごく初期の妊娠を中絶する場合、オンライン診療でいくつかの事項をクリアし、正しい情報を与えられ、近くの薬局で入手することで、中絶薬は一般の女性でも安全に使用することができるものなのです。
中絶薬を遠隔診療で処方できるようにすることは、これまでも欧米のフェミニストたちの要求事項の一つでしたが、今の危機的な状況の中で、その要望はさらに強まっています。
そうした中、アイルランド保健相の遠隔診療許容の発言は、非常に画期的なものだったわけです。