リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

昨日のニコニコ生放送「新型コロナ禍での妊娠・出産・避妊・中絶問題」について

スティグマより健康を

昨日のプログラムの最後に言ったこと3つ:

1. 中絶問題は性差別と性暴力の文脈で考えていくべき。
2. 中絶薬の導入で中絶観そのものが変わる。
3. 女性の健康と権利を保障しない国は亡びる。

そして時間がなくて十分に話せなかったこと。

女性たちを沈黙させてきた日本の中絶事情

1.中絶のスティグマ
 ・法  堕胎罪-母体保護法
 ・文化 「中絶=子殺し」、胎児中心主義、水子供養

2.医会や学会の無知・看過・隠ぺい
 ・指定医制度による業務独占と既得権

3.リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(RHR)軽視
 ・CEDAW委員会の勧告無視、選択的議定書未批准の日本政府
 ・女性のRHRの欠落した男女共同参画基本計画
 ・「中絶薬は危険」と警告しつづける厚労省
 ・「産まない方向のリプロ」はすべて高価でアクセスが悪い

CEDAWとは女性差別撤廃条約のこと。

これらについては、すでにあちこちで語ってもきましたが、いつかどこかでじっくり解説したいです。

今後は「スティグマより健康を」ということも考えていきたいです。
参考:インドのフェミニストHealth over stigmaのサイト