リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ピルコンへの相談が急増

プレスリリース2件

  • 「妊娠したかも」と思った時に無料で相談できる LINE ボット

「ピルコンにんしんカモ相談」 利用者数1万人突破!
~コロナ禍で急増する若者の妊娠相談から見える緊急避妊薬・性教育の課題~
https://pilcon.org/wp-content/uploads/2020/05/c4acb4a16b86ca8c7f509dc0b79e8814.pdf

相談分析の結果、次のような課題を挙げています。

■相談分析から見えてきた課題
①「緊急避妊薬(アフターピル)=72時間以内の服用が有効」という知識の周知の必要性
→緊急避妊薬は、避妊に失敗した時や性被害にあったとき、女性が72時間以内に服薬することで
95%以上の確率で妊娠を防ぐことができる最後との砦とも言える薬です。「ピルコンにんしんカモ」
で最初の質問「何について知りたいですか?」で、「避妊に失敗したかも」の表示が9741件に対し、
「生理が遅れている」「妊娠していないか不安」の合計は10,727件と、予定月経が遅れてからの思
いがけない妊娠の不安が多く見られました。また、妊娠が不安な性行為からの時間について、72
時間以内が2,195件、72時間以降が594件と、性行為後72時間を超えてからの相談利用が多くあ
りました。緊急避妊薬は72時間以内の服用が有効という知識の周知が必要性がうかがえました。
②2020年3月以降、「ピルコンにんしんカモ相談」の相談件数が増加
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により休校措置がとられた2020年3月から、「ピルコンに
んしんカモ相談」の相談件数が増加しています(前月比約1.5倍)。要因としては、「①休校・親の不
在により性交渉の機会が増えた可能性」、「②休校になったことにより余暇時間が増え、妊娠不安
について検索・相談をする時間が取れるようになったこと」、「③外出自粛により相談先が限られる
ようになったこと」等が考えられます

  • 「妊娠したかも…」 休校措置以降、10代の妊娠に関する悩み相談が急増

~妊娠不安・避妊に関する10代の相談件数が2.7倍に~
https://pilcon.org/wp-content/uploads/2020/05/b6511a814d4eb707d60dee2e930a98ff.pdf

こちらでは具体的な対策として、ふだんからの性教育、緊急避妊薬とオンライン診療に関する情報周知を挙げています。

■背景の分析(NPO法人ピルコン理事長染矢より)
相談が増加した要因について、「①新型コロナウイルスや先行きの見えない自粛生活への不安の
高まり」、「②休校・親の不在により性交渉の機会が増えた可能性」、「③休校になったことにより
余暇時間が増え、今まで抱えていた悩みについて検索・相談をする時間が取れたこと」等が考え
られます。同居する親族からの暴力・虐待や居心地の悪さを感じている子もいる中で、人と繋がっ
たり、一時的に不安を解消したりするために性行為をするケースもあることが考えられます。普段
からきちんと性教育がなされていないしわ寄せが若い世代・女性にいっており、普段から当たり前
性教育が受けられる環境を整え、妊娠が心配な性行為が起きた時に、緊急避妊薬があること
や、 オンライン診療などの手段も増えていることも含めた情報の周知が必要だと考えます。