リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

影のパンデミック対策のために財源割り当てを提案

UN Women事務局長の声明の2日後、各国政府等に対応を求めていた

今になって見ました……。UN Womenの事務局長が「影のパンデミック」声明を出したのが4月7日。そのわずか2日後の4月9日に、次の提言が出されていました。

COVID-19と女性・女児に対する暴力

世界中で女性・少女への暴力が増えている問題を指摘した後で、次のような具体的な提言が並んでいます。

上記の問題を踏まえ、政府・国際機関・市民社会を含む社会の全てのセクターに向け、本報告書は以下の措置をとるよう提言しています。
1 COVID-19 に係る国家レベルの対処方針・計画の中で、女性・女児に対する暴力対策のために追加で財源を割り当て、証拠・データに基づいた措置をとること
2 COVID-19が蔓延する中で、暴力にさらされる女性への支援を強化すること
3 暴力の予防や対応に関連する重要な行政サービスの質を向上させ、不処罰を予防すること
4 女性を政策変容・解決手段・復興の中心に置き、女性の声が反映されるようにすること
5 女性・女児特有の影響を把握し、適切な対応に結び付けるために、性別データの収集を進めること

日本では、DVについては支援窓口設置やDV夫を介さずに被害者が特別支援金を受け取れるようにする措置などが取られましたが、それ以外はほとんど何もできていない。DVに該当しないがために放置されている性暴力や性虐待にもしっかり対処すべきです。

まずは実態把握のためのデータ収集が必要ですね。ところが、新型コロナウィルスの検査と同じで、「臭いものにはふた」をして見て見ぬふりをすることが、この国ではあまりにも多いような気がします。