リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

千葉県市原市で虐待死「訪問2回、目視できず」

朝日デジタル 2020年6月5日 11時30分

1月のネグレクト致死事件

 生後10カ月の次女に食事を与えず放置したとして母親が保護責任者遺棄容疑で千葉県警に逮捕された事件で、母親や次女が住んでいた市原市は4日、昨年12月以降に2回、保健師らが自宅を訪問したが、次女を目視できていなかった、と発表した。市は、対応は適切だったとしている。

 市はこの日、次女死亡にかかわる経緯を発表。昨年3月に次女が生まれ、翌4月に保健師が自宅を訪問し、体重増加が良好な次女を見たうえで、「母親の健康状態に不安がある」として、継続支援対象とした。

 昨年12月20日、必要な予防接種や健康診断を受けていなかったため、保健師が自宅を訪問。長女や長男の健康は確認できたが、次女は泣き声を確認しただけだった。訪問の主目的は受診を促すためだったが、次女の目視をできなかったため、母親に再訪問の約束をした。

 だが、今年1月21日の訪問予定を母親が当日キャンセル。このため、同23日に市の相談員と保健師が事前の約束なしで訪問した。子どもの足音を聞いたが、玄関口からの声かけや呼び鈴に応じないため、戻ったという。

 目視確認をしなかった理由について、山形昌啓・市子ども福祉課長は「市に強制力がなく、家の中を見る権限がなかった。当時としてやるべきことはやった」と説明した。これまでの対応について「適切な対応をしてきた」と話した。

 県警によると、次女は1月25日、救急隊に心肺停止の状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は不詳だが、低栄養と脱水による衰弱死とみられる。捜査関係者によると、次女はあばら骨が浮き出るほど痩せた状態で、生後10カ月の平均体重を下回る5キロ以下だったという。(高室杏子、福冨旅史)