外面だけ保ちながら日本女性の性と生殖の健康と権利のために何もしていない日本政府
次の共同プレス声明を見つけ、しかもその中にJapanの名が刻まれているのを知って、愕然としました。そもそもこんな声明に日本政府が加わっているということを日本人のいったい誰が知っているのだろう? メディアで報道もされていないと思う。
調べて行ったら
国際家族計画協会(IPPF)とジョイセフ(JOICFT)がニュースとして取り上げており、後者は声明文の日本語訳も出していたことが分かった。以下、声明文の途中まで紹介する。
人類は COVID-19 という前代未聞の脅威に直面している。世界中で、すべての人、特に高齢者の保健医療システム、経済、生命、生活に甚大な影響をもたらしている。急速に拡大するパンデミックに効果的に対処するためには、すべての国の政府、科学者、市民社会と民間による連帯と協力が必要だ。
COVID-19 が女性と男性に与える影響は異なり、パンデミック下では女性と少女に対して元から存在した不平等だけでなく、障害者や極度の貧困にある人々など、周縁化されたグループの差別を悪化させ、女性と少女の人権の実現が妨げられるリスクが増える。すべての女性と少女の参加、保護、潜在能力を中心に対応が組み立てられなければならない。これらの対応はジェンダーの視点に基づき、治療の必要性の確認、診断、提供へのパンデミックの影響がすべての女性と男性にとって異なることを考慮するべきである。
世界中へのウイルスの拡散を制限するための行動抑制策は、親密なパートナーによる暴力を含むドメスティック・バイオレンス(DV)のリスクを増大させる。平時にすべての女性と少女を守るために存在する保健、社会、法制度による保護が、COVID-19 によって弱体化あるいは圧力を受ける中、女性と少女に対する暴力を防止するための特別な措置を導入しなければならない。緊急支援によって、難民、移民、国内避難民であるすべての女性と少女が守られるべきだ。社会心理学的な支援サービスを含むセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)ニーズ、ジェンダーに基づく暴力(GBV)からの保護を優先し、継続性を保証して提供しなければならない。学校が休校となる中、思春期の保健、権利、福祉を保障するため、社会的保護の責任を政府が負わなければならない。人権の享受を制限するような手段はいずれも法律によって定めなければならず、国際法に照らし合わせて厳格に評価しなければならない。
様々な取組みと対応がジェンダーの視点に基づき、リスクが最も高いグループがさらに差別され、排除されないように配慮するため、所属するネットワークと組織を通じた、コミュニティを含むすべてのレベルにおける意志決定への女性と少女の積極的な参加とリーダーシップの発揮を支援する。
保健医療の緊急事態におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の中心的な役割と、人々の命を救うためには強健な保健医療システムが必要であることを指導者たちが認めることが必須だ。この文脈において、セクシュアル・ヘルス(SRH)サービスは不可欠である。我々は、すべての国が即時に UHC の政治宣言を実施することを再び約束する。
セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)への資金提供を優先事項として残すことで、妊産婦と新生児死亡、避妊のアンメットニーズ(充足されていないニーズ)、安全でない中絶、性感染症の増大を避けなければならない。
最後の一文が分かりにくいですね。原文は次のとおり。
Funding sexual and reproductive health and rights should remain a priority to avoid a rise in maternal and newborn mortality, increased unmet need for contraception, and an increased number of unsafe abortions and sexually transmitted infections.
私の試訳:
SRHR(性と生殖の健康と権利)に予算を割り振ることは、妊産婦と新生児死亡、満たされていない避妊のニーズ、安全でない中絶、性感染症の増大を回避するために、今もなお優先事項とすべきである。
声明に参加すればよいのではなく、この声明に書かれていることを実施していくことが不可欠である。
原文は、呼掛け国であるスウェーデン政府のサイトにある。
www.government.se