東京北医療センター産婦人科の説明
わかりやすかったので、紹介させていただきます。
https://www.tokyokita-jadecom.jp/gynecology/column/364/
胎盤は、蛋白ホルモン(hCG:ヒト絨毛性ゴナドトロピンと、hPL;ヒト胎盤性ラクトゲン)とステロイドホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)を産生します。
図内の(1)~(4)はそれぞれ、下記を示しています。
hCG:ヒト絨毛性ゴナドトロピン
hPL:ヒト胎盤性ラクトゲン
エストロゲン
プロゲステロン
それぞれの役割について簡単にご説明しますと、
hCG:ヒト絨毛性ゴナドトロピン
これは妊娠4週頃には母体尿中に現れるため、初期の妊娠判定に用いられています。妊娠初期に妊娠応対を刺激し、エストロゲン・プロゲステロンを産生させます。
約15週くらいよりプロゲステロンの産生場所が胎盤に移り、妊娠黄体を刺激する必要がなくなりhCGは減少していきます。
このホルモン値とつわりの時期が重なることから、つわりとの関連が示唆されているホルモンです。胎児に対しては、エストロゲンの原料となるDHEAを胎児の副腎から分泌させ妊娠中期以降の妊娠維持に関与したり、胎児の精巣のテストステロン産生を促進したりもしています。
hPL:ヒト胎盤性ラクトゲン
これは妊娠末期に急増するホルモンです。妊娠末期は、胎児の成長が大きいため、胎児に優先的にグルコースを送るために母体のグルコース取り込みを抑える抗インスリン作用と、母体への栄養補給のための脂質分解作用を促進しています。
エストロゲン
これは子宮筋肥大・子宮血流量増加による妊娠維持作用、妊娠末期に頚管を徐々に柔らかくし分娩に備える作用があります。また、妊娠中は抑制作用として働きますが、出産後の母乳の準備があり、出産後エストロゲンの減少で抑制が取れ、母乳の分泌が開始となります。
プロゲステロン(黄体ホルモン)は妊娠の成立(着床)の時に必要だそうで、通常の月経時でもプロゲステロンが止まることで子宮内膜が剥がれて月経が起こるとされています。