リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

国際セーフ・アボーション・デー2020 Japan プロジェクトのイベント

 2020年9月27日に日本のリプロダクティブ・ヘルス&ライツ史上、重要な一大事件があった。30名もの女性たちが国際セーフ・アボーション・デーのために力を合わせ、「中絶についてとことん語ろう!」という6時間にもわたるオンライン・イベントを開催したのだ。「中絶」というテーマで、40~50年にもわたって活動してきたアクティビストから、ごく最近の自分の経験から中絶問題に目覚めたばかりの若い女性まで、20代から70代まで年代も職業も住む場所も異なる女性たちが、安心・安全な避妊と中絶を求め、刑法堕胎罪にノーを突きつけたのである。ふだんなら決して知り合えなかったような私たちが、国内各地のみならず国境まで超えて集まれたのは、コロナ禍でだれもがzoomを使いこなすようになれたおかげであり、家にいながらツイッターで新しい友達を作れるようになった時代ならではのことである。Youtube配信されたリレートークは、オンサイトで200人がアクセスし、その録画の再生回数は10月初旬の現在で3000回を超えている。
 ところが、事前取材が複数入り、テレビカメラを入れるという話もあり、イベント後の記者会見にも幾人かの記者が来ていたというのに、大手マスコミはこのイベントについて一切報道しなかった。熱心に取材しに来ていたある記者は、事後になって「今回は扱えませんでした。すみません」とのメールを送ってきた。上司に止められたのだとか、政府から何か言われたんじゃないかといった憶測も流れているが、悔しがっていてもしかたがない。そんな暇があるくらいなら、私は声を上げつづける。誰も私たちの声を無視できなくなるまで!