リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

コロナ、女性の悩み深刻 経済や家庭の問題 7月以降自殺増 厚労相指定センター

2020年10月22日朝日デジタルより

 今年7月以降の女性の自殺者の数が増えているのは、新型コロナウイルスの感染拡大による経済面や家庭での悩みが影響している可能性がある、との分析結果を21日、厚生労働相の指定を受けて自殺対策の調査研究を行う「いのち支える自殺対策推進センター」が発表した。

 警察庁によると、自殺者数は7月から3カ月連続で前年同月を上回っている。8月(速報値)は前年同月より251人多い1854人だった。このうち女性は651人で約4割増加した。

 センターは7月以降、同居人がいる女性や無職の女性の自殺が増え、人口10万人あたりの「自殺死亡率」を引き上げた、と分析する。コロナ禍では多くの非正規雇用の女性が仕事を失っている。DVの相談件数や産後うつが増えているとの報告もある。「経済・生活問題や、DV被害、育児の悩みや介護疲れなどの問題の深刻化が影響した可能性がある」としている。

 8月には、中高生の自殺が2015年以降で最多の58人にのぼり、特に女子高校生が増えている。センターは、オンライン授業の進度についていけないなど、コロナ禍での自宅や学校での環境の変化が影響しているとみられる、とした。さらに、7月下旬の俳優の自殺報道の後、主に10~20代の自殺が増加したといい、「報道が大きく影響している可能性が高い」とした。

 4月から6月にかけての自殺者数は、過去5年の傾向からの予測値よりも少なかった。センターは、新型コロナの感染拡大を受けて「命を守ろう」とする意識が高まったことなどが影響した、とみている。政府の支援策である住居確保給付金、緊急小口資金、総合支援資金は一定の自殺抑止効果がみられた、としている。

 センターの清水康之代表理事は「今後は、経済・生活問題で亡くなる人が多い中高年男性もリスクが高まることが懸念される」と話した。(石川春菜)

 ■悩みのある人の相談先

 ・自殺予防いのちの電話

 フリーダイヤル0120・783・556(毎日午後4~9時、毎月10日は午前8時~翌午前8時)

 ナビダイヤル0570・783・556(午前10時~午後10時)

 ・よりそいホットライン

 フリーダイヤル0120・279・338(24時間、IP電話などからは050・3655・0279)

 ・こころのほっとチャット

 LINE、ツイッターフェイスブック@kokorohotchat(毎日正午~午後4時・受け付けは午後3時まで、午後5~9時・受け付けは午後8時まで)

しんぶん赤旗では女性の問題にスポットを当てています。

若い世代も
 ところが7月になると前年同月より25人、8月251人、9月143人と3カ月連続で増えました。このうち女性は7月88人(15・6%)、8月187人(40・3%)、9月138人(27・5%)。男性は7月に63人(5・1%)減、8月64人(5・6%)増、9月5人(0・4%)増で女性の急増が顕著です。

 厚労省の集計で年齢別の内訳を見ると、今年最も多かった8月は総数で前年比22・3%増だったのに対し、40歳未満は44・2%増と倍の多さで、特に若い世代の自死が目立ちました。うち女性は76・6%も増えています。

 「Go To トラベル」キャンペーン開始が前倒しされ、自粛やイベント制限の緩和が進んだ7月から女性の自死が増えだしたことについて、シングルマザーとその子どもたちを支援する「シンママ大阪応援団」の寺内順子代表理事は次のように話します。

仕事を失う
 「コロナ禍で仕事を失い収入が激減した不安定雇用の女性たちは、特別定額給付金など手元にお金があるうちは何とか一時的にしのげた。しかし夏以降感染が再拡大し、生活資金が尽きてしまったり、いつ収束するのか先の見えない不安が女性を追い詰めている面があると思います」

 「シンママ大阪応援団」には、経済的・精神的に不安定な状況にありながら、子どものためにギリギリ踏みとどまっているママたちからのSOSが絶えないといいます。

 「最近も『飛び降りようとベランダに足をかけたが、小さな子を残して死にきれなかった』というママがいました。単身や若年層の女性の社会的孤立も心配です。平時から弱い立場に置かれている女性に確実に届く現金支給など国が早急に具体的な支援の手を打つことが求められます」

相談窓口
 厚生労働省のホームページでは、悩みや不安を抱えて困っている時の相談先や相談方法などを紹介しています。

【こころの健康相談統一ダイヤル】

 0570(064)556(有料)

【よりそいホットライン】

 0120(279)338(無料)

 岩手、宮城、福島からかける場合

 0120(279)226(無料)