リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

リプロダクティブ・ヘルス&ライツ

記号一つで変わる意味

日本では「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」という表記がよく使われていますが、英語でreproductive health/rightsと書くことはありえません。スラッシュ(/)はorの意味をもち、この記号の前後にあるものを「択一」するニュアンスをもつ記号だからです。


「リプロダクティブ」という形容詞は、後ろのヘルスとライツの両方にかかっており、すべてスペルアウトするならreproductive health and reproductive rightsになります。これを省略するなら、reproductive health and rightsとする。もっと短くしたいなら、reproductife health & rightsとか RH&Rと表記されることもありますが、RH/Rはありえない。


英語の標準的標記のマニュアル「シカゴマニュアル・オブ・スタイル」に倣って説明している以下のサイトも参考になります。
スラッシュ:A/BはAかBかAとBか | 世界標準のスペック英語


日本で最初に誰が/を使ってしまったのかは知りませんが、これが定着していることで訳が分からなくなっている人もきっといると思います。私自身、当初は、「健康または権利ってどういうこと?」と悩まされたものです。


女性の健康と女性の権利をしっかり打ち立てていくためには、訳の分からない「/」はやめて、リプロダクティブ・ヘルス及びリプロダクティブ・ライツの「両方を」明示的に主張していくべきだと思います。