リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

男女共同参画基本法の精神

第5次基本計画を問い直す前に基本法を見直す

男女共同参画基本法の条文男女共同参画社会基本法 | 内閣府男女共同参画局

以下、要点をまとめる。

第一条(目的)男女共同参画社会の形成を推進する

第二条(定義)男女共同参画社会の形成とは: 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する(=単なる参加ではなく方針決定や計画立案から関与する)機会が確保されることで、男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受でき、かつ、共に責任を担うような社会を形成すること
二 積極的改善措置(アファーマティブ・アクション)とは:前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供すること

第三条 (男女の人権の尊重)個人としての尊厳重視、性差別的取り扱いがないこと、個人として能力発揮する機会の確保、その他の人権尊重を旨とする

第四条(制度又は慣行)性別役割分担等が社会活動の選択に悪影響を及ぼさないようにする

第五条(政策立案と決定)政策や民間団体の方針の立案と決定には男女で関わる機会を確保する

第六条 ワークライフバランス

第七条 国際的協調

第八条(国の責務)第三条~第七条を基本理念として施策(積極的是正策を含む)を策定、実施する

第九条(地方自治体の責務)同上

第十条(国民の責務)同上 

第十一条(法制上の措置等)政府は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

第十二条(年次報告義務)

附帯決議は参議院衆議院で微妙に異なっている。参議院のみにある決議文を以下に示す。

一 政策等の立案及び決定への共同参画は、男女共同参画社会の形成に当たり不可欠のものであることにかんがみ、その実態を踏まえ、国及び地方公共団体において、積極的改 善措置の積極的活用も図ることにより、その着実な進展を図ること。

一 男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の策定に当たっては、現行の法制度についても広範にわたり検討を加えるとともに、施策の実施に必要な法制上又は財政上の措置を適宣適切に講ずること。

一 本法の基本理念に対する国民の理解を深めるために、教育活動及び広報活動等の措置を積極的に講じること。

一 苦情の処理及び人権が侵害された場合における被害者救済のための措置については、オンブズパーソン的機能を含めて検討し、苦情処理及び被害者救済の実効性を確保できる制度とすること。

男女共同参画社会の形成を国際的協調の下に促進するため、女子差別撤廃条約その他我が国が締結している国際約束を誠実に履行するため必要な措置を講ずるとともに、男女共同参画の視点に立った国際協力の一層の推進に努めること。

逆に、衆議院のみの項目を以下に示す。

一 男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の策定に当たっては、性別によるあらゆる差別をなくすよう、現行の諸制度についても検討を加えるとともに、施策の実施に必要な 法政上又は財政上の措置を適切に講ずること。

一 男女共同参画社会の形成には、男女の人権の尊重が欠かせないことにかんがみ、苦情の処理及び被害者の救済が十分図られるよう、実効性のある制度の確立に努めること。

他にも類似した文だが若干要素が加えられたり落ちていたりする。どのような審議の結果、こうなったのか、時間がある時に調べてみたいものだ。