リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

田名部匡代議員:中絶薬に関する質問

第204回国会 参議院 決算委員会 第1号 令和3年4月5日120 

田名部匡代議員
国会中継 3時間4分~
田名部匡代君 ありがとうございました。
 それでは、質問に入らせていただきますが、コロナ関連に、関する質問の前に、確認だけでございますので、不妊治療、そしてセーフアボーションについて先にお伺いをさせていただきたいと思います。
 菅内閣では、不妊治療の支援を拡充をいたしましたし、また公的医療保険適用の方針もお決めになりました。多くの方がこのことに期待をしていると思いますし、喜んでいるのではないかなと思っています。
 あわせて、厚労省は、両立支援等助成金事業で不妊治療と仕事の両立支援をするということであります。これもとても大事なことだと思いますが、具体的にどういうことをされるのか、大臣からお願いします。
121 田村憲久
国務大臣田村憲久君) 子供を持ちたいと思われる御夫婦が、やはりしっかりと子供が産める環境というものをつくっていかなきゃならないということでありまして、次世代育成推進法等々で、これ指針を改定いたしまして、この四月からその行動計画の中で、不妊治療等々を受ける労働者、そういう方々に配慮した措置を講ずるということ、これ、入れた方が望ましいという中にこれ入れさせていただきました。
 そういう意味では、各企業でそういう対応をいただきたいという思いなんですが、一方で、不妊治療等々をして、当然休まなきゃいけないということが起こってまいります。そういうときに休業等々の対応をしたりでありますとか、あとフレックスタイムなんかで対応いただく、こういうことに対して助成制度という形で国の方が助成をさせていただいて企業を後押ししようと。で、こういうものをSNSでありますとか、いろんなところで広報しまして、各企業に御理解をいただきながら体制を整備していただきたいと、こういう思いであります。
122 田名部匡代
田名部匡代君 ありがとうございます。
 働きながら頻繁な通院を余儀なくされますし、とても時間が掛かるわけでありまして、社会全体の理解、また働いているその職場の理解というのはとても重要だと思いますので、是非、いい取組ですから、企業の皆さんにも御理解をいただいて、進めていただきたいというふうに思います。
 現在、五・五組に一組の割合で不妊治療やまた不妊に関する検査を受けておられて、二〇一八年にはおよそ十六人に一人が不妊治療によって生まれてこられたということです。一方で、ようやくその苦しい治療の後で子供さんを授かったとしても、流産されてしまう方も少なくありません。また、妊娠されても流産や死産を繰り返してしまう不育の方というのもおられます。
 今、パネル御覧いただきたいというふうに思うんですけれども、(資料提示)これ、厚生労働省の資料によりますと、不妊治療における流産率は三十五歳で二割、四十歳で三五%、四十五歳以上で六六%ということになっています。加えて、流産後、PTSDと中度から重度の不安、またうつになった方合わせて、術後一か月で六四%、三か月後には五二%、九か月後でも四一%というふうになっています。不妊治療への支援というのは先ほど申し上げたようにとても大事なことでありますし、精神的なこうした心のケアというものを長期的に行っていくということも必要だというふうに考えます。
(3時間8分) あわせて、身体的負担を取り除いていくこともとても大事です。この問題は、立憲民主党、我が党の塩村あやか参議院議員が熱心に取り組んでいるんですけれども、流産や中絶の場合、世界ではセーフアボーションがスタンダードとなっています。これは薬を飲む方法なのですが、日本ではまだ六割がそうではない手術というふうになっています。
 WHOは、女性の体と心への負担がより少ないとして、このセーフアボーション、薬の使用であるとか真空吸引法というものを推進しているんですけれども、この服用する薬については、OECD三十七か国中三十二か国、その他の国合わせて七十七か国で承認をされていて、OECD諸国で認可されていないのは、スロバキア、トルコ、ポーランド、韓国、そして日本だけというふうになっています。
 そこで、総理に確認をさせていただきたいと思います。このミフェプリストンとミソプロストールという薬なんですが、これが製薬会社から製造販売承認申請され、一定の手続が行われた後、承認されれば、保険適用になるということでよろしいでしょうか。
123 田村憲久
国務大臣田村憲久君) 経口中絶薬ということで、ミフェプリストンとミソプロストールという薬でありますけれども、これに関して申請が出てくれば、安全性、有効性しっかりと確認した上で、それに対して承認が出れば、これ治療上必要だという場合には保険収載で対応すると。保険収載した後、治療上必要であるということが重要でございまして、その場合に関しましては、これは保険適用という形になります。
124 田名部匡代
田名部匡代君 今申し上げたように、世界七十七か国では承認されていて、女性の心と体、まさに本当に精神的な負担、そして身体的な負担というものが大きいわけです。
 総理に一言いただきたいんです。是非、そういった今申し上げたような女性の現実があるので、是非これは速やかに、承認をされればですね、保険適用ということを進めていただきたいというふうに思いますけれど、総理、いかがでしょう。
125 菅義偉
内閣総理大臣菅義偉君) 有効性、安全性等が確立している治療については保険適用する、このことがまずは基本だというふうに思います。
 今の経口薬についても、薬事承認がされた場合には、胎児の死亡等による流産など治療上中絶が必要な場合に、ここはやはり保険適用というふうに考えています。
126 田名部匡代
田名部匡代君 是非、不妊治療をされて、そしてその後流産をされるという、そしてまた身体的に苦痛のあるこういう処置がなされているという現状を是非総理にも知っていただいて、改善をしていただきたいというふうに思いますし、是非とも保険適用を進めていただきたいというふうに思っています。