リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

2021年3月26日のFIGO(国際産婦人科連合)の声明

テレメディシンで中絶薬を提供することを恒久化すべし

以下、概要を訳します。

COVID-19のパンデミックは、一部の国で中絶サービスが一時的に制限されていることもあり、世界中の女性と少女に偏った影響を与えています。一方、COVID-19パンデミックの間、医療・ケアサービスにテクノロジーが急速に導入されたことで、特にサービスが行き届いていないコミュニティの人々に効果的かつ効率的な医療を提供する可能性が高まっています。遠隔医療による人工妊娠中絶は、女性や少女が自宅で、医療従事者とオンラインで相談したり、薬を患者に届けたり、患者が回収したりすることで、自己管理ができるようになる可能性を秘めた分野の一つです。


私たちはこのたび、遠隔医療による中絶サービスの恒久的な導入を支持する声明を発表しました。中絶は一刻を争う重要な医療サービスであり、女性や少女の希望に沿って、安全性、プライバシー、尊厳を最優先にして提供されるべきものです。FIGOは、すべての政府に対し、安全な中絶サービスへのアクセスを妨げる障壁を取り除き、COVID-19の開催期間中およびその後も、すべての少女と女性が安全な中絶を利用できるようにすることを要求します。


FIGOの提言と公約


FIGOは、世界中の政府が遠隔医療の提供とアクセスを強化するための投資を行うことを推奨します。これにより、中絶サービスを求める女性を含め、世界中の女性と少女に安全でタイムリーかつ効果的なケアを提供することができます。


FIGOは以下のことを約束します。


遠隔医療による中絶の成功の証拠を、各国の加盟団体と共有し、国内および世界的なアドボカシー活動の一環とする。


特に低・中所得国(LMICs)において、同様のサービスを実施する機会を検討するよう、各国の加盟学会に奨励・支援する。


すべての国における中絶の非犯罪化を引き続き提唱し、年齢、居住地、性別、宗教、社会経済的地位、障害、民族、宗教や文化的背景などに基づくスティグマや差別のない安全な中絶へのアクセスを改善するための世界的な取り組みを支援する。

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