リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

1970年代から1980年代にかけて水子供養は広まっていった

1977年頃の中絶……微妙な時期ですね

「Dr.北村の女性クリニックへようこそ」で見つけたQ&Aです。仮にこれが書かれたのが2014年だとして逆算すると、この方が中絶したのは1977年。リブセンターが閉鎖された年です。その頃の女性たちは元気で、性に関してもかなり解放されていたので、たぶん中絶なさった頃には、まだその雰囲気があったのかもしれません。

それが、日本ではこの頃からじわじわと水子供養が広まっていって、80年代前半の優生保護法改悪闘争の頃に、プロライフがばんばん「中絶は悪いこと」「子殺しと同じこと」といった脅し文句をばらまいたこともあり、全国の寺社で「~~供養」が考案されて行ったなかで水子供養がヒットし、「常識化」してしまった……。

すると、かつて中絶したときには「何とも思っていなかった」のに、過去を「後悔」したり嘆いたりする人たちが出てきた。更年期なども影響していると言われたりしていますね。

人間のすることなんだから、それぞれに、中絶したことでいろいろ考えたり、思い悩んだりすることもあるでしょうけど、「ちょっと待て、自分の判断は間違ってなかったのでは?」と振り返ってみてもいいかもしれません。

後悔する時、人は「あっちを選んでいたらどれほど良かっただろう」と、もう一つの選択肢を過剰に美化することがあります。「こっちを選んだ」から今があり、次に何かを選ぶことで未来が決まると思えば、過去をくよくよしている暇なんてないのかも…。なりたい自分になっていきたいですね。死ぬ瞬間まで。

37年前の中絶、今も後悔