リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

FIGOのウェビナーを観て

ただの感想ですが……

FIGOのMedical Abortion最先端情報提供のウェビナーを観終わったところです。
世界と日本のあまりの格差に愕然とする思いです……(観る前から分かっていただとはいえ)。
世界では、ミフェプリストンが承認されていなくても、(第二の手段である)ミソプロストール単独使用というのがある(!)ということが、すでに共通認識になっているのですが、日本ではそれすらできていない。
フランスでは20年前から「自宅中絶」が行われている。それが世界に広まって、安全性も有効性もすでに確認されているということ……これも知られていない。
中国での中絶薬使用が、世界全体を合わせたのに対して10倍もあるということ。(つまり、今、日本で行われている「白人」と比較するための治験のように、今さら、コーカサスとエイジアンの差を調べても、全く意味がないということ……薬の値段を釣り上げるだけで!)
テレメディシンの有効性が、コロナ禍を経てなおのこと、確認&確信されているということ。
中絶は女性の「倫理的決断」であるということ。これは、1988年にフランスで中絶薬が承認されたときに、時の厚生大臣が言っていたこと(つまり3分の1世紀前にすでに言われていたこと)……。
などなど、再確認することがてんこ盛りでした。
最後の締めが、デーム・レズリー・リーガンさんの「ジェンダー平等のために不可欠」という発言で、やはり安全な中絶を広めることの意義は、最終的にそこにあるのだということを改めて痛感しました。
コロナの状況を見ても、日本人であることがあまりにも情けなくなりそうだけど、どうにか踏ん張っていきたいです!