リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

寄付金による運営から企業として持続的運営に成功したDKTインターナショナル

Woman Care Global, a company of DKT International

How One Social Marketing Organization Is Transitioning From Charity to Social Enterprise
by Christopher Purdy
First Published April 13, 2020 Research Article
https://doi.org/10.1177/1524500420918703


Abstractを仮訳してみます。

概要


米国の非営利のソーシャル・マーケティング組織であるDKTインターナショナルの資金調達モデルは、31年前の設立以来、劇的に変化している。設立当初、DKTはドナーからの資金に依存し、低所得者や社会から疎外された人々に届けるために、ほとんどの製品に多額の補助金を出していた。しかし、この30年間、DKTは巧みなマーケティング、所得の増加、避妊具の調達コストの安定としばしば低下という偶然の組み合わせにより、ますます財政的に持続可能になってきている。これは特にインドネシア、ブラジル、ガーナなどの中所得国において顕著だが、エチオピアやインドのビハール州などの低所得国・地域でも同様である。すべてのDKTプログラムは製品を販売することで収入を得ている。DKTは、コスト回収と相互補助の戦略を組み合わせることで、幅広い所得層にサービスを提供すると同時に、販売収入を得て、コストを相殺し、国によっては利益を上げることも可能にしている。その利益は、教育や行動変容のための活動に再投資されたり、他の国で新しいベンチャーを立ち上げるために展開されている。本稿では、DKTが経験した慈善事業から社会的企業への移行について説明し、財政的持続可能性の3つの段階における各国の事例を紹介することで、他の非営利団体にとっても示唆に富む情報を提供する。非営利団体が資金を調達することがより困難になる中、提供する製品やサービスをマネタイズすることで収益を上げ、コスト回収率を高める方法を模索する必要があるのではないか。