リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第17次報告)

厚労省 社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会

 子ども虐待による死亡事例等の検証については、社会保障審議会児童部会に設置されている「児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」おいて検証が行われ、今般、平成31年4月1日から令和2年3月31日までの間に、子ども虐待による死亡事例として厚生労働省が各都道府県を通じて把握した72例(78人)また、平成31年4月1日から6月30日の3ヶ月間に児童相談所が受理した重症事例(死亡に至らなかった事例)として厚生労働省が各都道府県を通じて把握した13例(13人)について分析等を実施し、明らかになった課題を受けて報告が取りまとめられました。厚生労働省としては、本報告の提言を受け、児童虐待防止対策をより一層推進していくとともに、地方公共団体、関係団体及び関係者に周知を図り、本報告の実現に向けた取組を進めます。
 厚生労働省としては、本報告の提言を受け、児童虐待防止策をより一層推進していくとともに、地方公共団体、関係団体及び関係者に周知を図り、本報告の実現に向けた取組を進めます。


子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第17次報告)(社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会)(令和3年8月)概要版
子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第17次報告)(社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会)(令和3年8月)全体版


概要版から以下引用

2.死亡事例(72例・78人)の分析
(1)心中以外の虐待死(56例・57人)各項目において人数割合が多かったものを主に掲載
○ 死亡した子どもの年齢 「0歳」・・・28例・28人(49.1%)(0歳のうち月齢0か月児が11例・11人(39.3%))
○ 主な虐待の類型 「身体的虐待」・・・16例・17人(29.8%)「ネグレクト」・・・13例・13人(22.8%)(「不明」・・・26例・26人(45.6%))
○ 直接の死因 「頭部外傷」・・・7例・7人(18.4%※)
○ 主たる加害者 「実母」・・・30例・30人(52.6%)「実父」・・・3例・3人(5.3%)「実母と実父」・・・4例・4人(7.0%)
○ 加害の動機(複数回答) 「保護を怠ったことによる死亡」・・・9例・9人(15.8%)「しつけのつもり」・・・3例・3人(5.3%)「その他」・・・7例・7人(12.3%)
○ 妊娠期・周産期における問題(複数回答)「予期しない妊娠/計画していない妊娠」・・・20例・20人(35.1%)「妊婦健康診査未受診」・・・20例・20人(35.1%)「遺棄」・・・18例・18人(31.6%)
○ 乳幼児健康診査の受診状況 「3~4か月児健康診査」の未受診者・・・6人(26.1%※)「1歳6か月児健康診査」の未受診者・・・1人(6.7%※)「3歳児健康診査」の未受診者・・・2人(22.2%※)
○ 養育者(実母)の心理的・精神的問題等 「養育能力の低さ」・・・13例・13人(23.2%)「育児不安」・・・8例・8人(14.3%)
うつ状態」・・・5例・5人(8.9%)「精神疾患」・・・6例・6人(10.7%)(養育能力の低さとは、子どもの成長発達を促すために必要な関わり(授乳や食事、保清、情緒的な要求への応答、子どもの体調変化の把握、安全面への配慮等)が適切にできない場合としている。)
○ 関係機関の関与 児童相談所の関与ありが11例(19.6%)、市区町村(虐待対応担当部署)の関与ありが15例(26.8%)(重複あり) であった。
児童相談所と市区町村(虐待対応担当部署)の両方の関与ありが8例(14.3%)であった。
何らかの機関(児童相談所、市区町村、保健センター等)の関与ありが39例(67.9%)であった。
0か月児事例2人については関係機関の関与無しが2人であった。
○ 要保護児童対策地域協議会 検討対象とされていた事例は11例(19.6%)であった。

※ この割合は、「不明」または未記入であった回答を除いた数を合計数として算出した有効割合